2人1組でヘラブナの総重量を競う「2015年度がまかつへらぶなチーム対抗戦西日本大会」【(株)がまかつ主催】が4月29日、滋賀県甲賀市の「甲南へらの池」で98組、196選手が参加して行われた。1、2回戦で6時間を戦い、冨田宏選手(名古屋市)、喜道博雄選手(名古屋市)の“師弟コンビ”が合計44・6キロを釣り上げ優勝。1回戦33位と出遅れたが、師弟で情報交換し、冨田選手が両ダンゴの底釣りに変更して2回戦で猛反撃、大逆転Vを果たした。

 鮮やかな逆転勝利だった。冨田選手と喜道選手の“師弟コンビ”が、表彰台の上で満面の笑みを見せた。

 昼前の気温が25度、水温17・8度というコンディション。「甲南へらの池」には、昨秋から今年2月末にかけ約4・5トンの新ベラが放流され、魚影は濃い。ヘラの活性も高く、午前7時からの1回戦では、大西優選手(大阪市)が8尺のサオを使い両ダンゴの底釣りで爆釣。3時間で24・5キロ、コンビでも30・2キロで独走。冨田・喜道コンビは14・9キロ。15キロ以上の大差をつけられ33位と出遅れた。

 実は師匠・冨田選手が1回戦はわずか3匹、2・3キロしか釣れなかった。ヘラブナ釣り歴50年の大ベテランは、08年には同池で別の選手と組んで優勝。そのときに当たった8尺コブセットのチョウチン釣りで挑んだが不発だったのだ。「水温が上がると釣れると思ったけど、ダメでしたね」。

 2回戦開始前に“弟子”の喜道選手と情報交換。ヘラ歴8年、冨田選手の薫陶を受けて腕を磨いている喜道選手は、両ダンゴの底釣りで1回戦は21匹(12・6キロ)を釣り上げていた。

 そこで、冨田選手も11尺のサオに替え両ダンゴの底釣り、エサの配合も喜道選手と同じにして挑戦。釣り座も有利なヘチ(岸辺に近い場所)そばで、良型を次々とキャッチして猛反撃した。2回戦はなんと20・7キロの大爆発で“師匠”の面目躍如。2回戦は9キロを釣った喜道選手とともに、合計44・6キロで他の組をごぼう抜き。息の合った師弟コンビが、3年連続3度目の挑戦で念願の優勝を飾った。【高垣誠】

 優勝した冨田選手 釣れる釣り方で入らないとダメですね(笑い)。でも優勝というのはうれしい。来年も頑張ります。

 ◆1947年(昭22)8月9日生まれ、67歳。名古屋市在住。ホームはひだ池。「ウィナーズクラブ」会長。

 優勝した喜道選手 もうムチャクチャうれしいです。師匠さまさまです。助けてもらいました。

 ◆1968年(昭43)9月30日生まれ、46歳。名古屋市在住。会社員。ホームはひだ池。「ウィナーズクラブ」所属。