5月に入り、産卵で姿を消していたグレが釣れ始めた南紀・串本大島の樫野地区に10日、アユ名人・村田満さんとグレ名人でグレ闘友会の藤原義雄会長と3人で釣行した。朝一番から沖磯「ヒラトコ」に上がるが波が高くなり「小ガツオ」へ磯変わり。これが大正解で次々に30センチ級の口太グレがヒット。3人で70匹以上の爆釣で、梅雨グレ前哨戦を満喫した。

 午前5時ごろ、樫野港を出船。約10分で名礁「ヒラトコ」に到着した。御来光を背中に早速仕掛け、エサを準備する。高場先端に入り、足元に数杯まきエを投入。海中ではシラコダイやマルハゲ、キタマクラなどエサ取りの活性が高いが、先月初旬から姿をみせだした小サバは皆無だった。

 この日の潮は沖へ流れる出潮が速く、仕掛けがなじむ間もなくアッという間に沖へ流される。そこで3B負荷に替え、まきエとズラしながら釣ると30センチ級のイサギが2連続で、33センチのグレもかかり意気揚々。だが、次第に波が高くなり、足元を洗うようになったため磯替えする。次のステージは、そばの「小ガツオ」だ。この時期はグレ師が少ないため磯はより取りだ。

 村田名人は沖向き先端の釣座、藤原会長は船着き、私は沖向きのデベソで仕切り直し。足元から広がるサラシの切れ目を00号と軽い仕掛けで狙う。ふと横の村田さんを見ると、サオが満月に曲がっている。タモに収まったのは35センチのグレ。そこから自分のウキに目を戻すと、ウキが海中にスパッ! シャープに引き込むグレ特有のファイトを楽しみ、同じく35センチ級をキャッチした。それにしても、この時期のグレはよく引く。

 藤原会長の船着き場のポイントも、グレの活性が高くサオが曲がっている。入れ掛かりの状況が昼前まで続き、釣れるサイズも27~38センチと中型グレの数釣りモード。それぞれが30センチ以上だけキープして、小型はリリース。結局、筆者は午後1時までの釣りで32~38センチを11匹だけ持ち帰った。とはいえ、3人合わせて釣ったグレは70匹を超える爆釣。3人とも終始笑顔が絶えない釣行だった。【日刊FPC・前西喜弘】

 ◆エサ まきエ=生オキアミ12キロに「イワシパワーグレスペシャル」「のりグレ」各2袋、「グレパワーV9スペシャル」1袋を配合。サシエ=生オキアミと「くわせオキアミスーパーハードL」。

 【今後の見通し】樫野地区は、これから7月末頃まで、梅雨グレの好機を迎える。沖磯・湾内磯問わず、50センチ近い大型グレや大型イサギが狙える。

 【問い合わせ】永田渡船【電話】0735・65・0454。渡船料4000円。

 【交通】大阪から阪和自動車道を利用し、南紀田辺ICを出て、国道42号線で串本町へ。「潮岬東入口」交差点を右折し、くしもと大橋を渡り串本大島へ入り樫野港へ。