待ちかねたアユシーズンがいよいよ開幕だ。西日本の主要河川で5月下旬から順次、アユの友釣りが本解禁される。紀伊半島ではそ上が良好な河川が多いが、小ぶりなので天然ものは最盛期から終盤にかけて面白くなりそう。放流が始まる3月下旬から4月上旬に雨が多く寒暖差も大きかったため、放流稚アユの成育にはばらつきがあるが、18センチほどに成長している河川もあり期待が膨らむ。追いが本格化する梅雨明けからは、追い星をくっきりつけた野アユが爽快に目印を飛ばしてくれることだろう。以下に各地から届いた情報を紹介しよう。

 【岐阜県】 長良川中央は昨年よりもそ上が早く、数も多い。益田川は湖産をメーンに放流。小坂の益田川本川は1週間早く解禁される。馬瀬川は水質が良く、おいしいアユが釣れる。台風の影響で川相が変わった所がある。付知川は島田橋周辺が例年多くの釣り人でにぎわう。日当たりもよく狙い目だ。成育も良好で16~18センチが確認できる。

 【愛知県】 矢作川はそ上が昨年よりも多く、梅雨明けから面白くなりそう。寒狭川は湖産をメーンに放流。成育も順調。支流・境川は工事のため、休漁。振草川も成育良好で大きい物で18センチが釣れている。とうえい温泉から上流が良さそうだ。

 【福井県】 九頭竜川中部は昨年よりもそ上が早く4月中旬に多く確認できた。梅雨明けから数、型ともに期待できそうだ。北川・南川はそ上は少し遅れたが例年並み。川相も徐々に回復している。

 【三重県】 大内山川は今までにないほどのそ上があり終盤まで楽しめそう。成育も良好で解禁日には大きいもので20センチの良型が釣れた。水質の良い宮川上流も成育良好。長瀬太郎生川は例年よりも早くそ上が始まり数も多く、成育も良好。名張川はそ上は遅れ気味だったが、7~8センチのアユが確認できる。渇水気味なので水量が増えれば期待できそう。

 【奈良県】 天の川は湖産が昨年よりも多く放流されている。石も磨かれており、追いアユも確認できる。成育良好。十津川は風屋ダム上流を除き解禁される。放流が少し遅れたので、場所によっては型が小さいかも。滝川や芦廼瀬川が良さそう。神納川には200キロが試験放流された。北山川はそ上は型は小ぶりだが例年並みの見込み。朝晩寒く水温低め。

 【和歌山県】 古座川はそ上がかなり多い。成育も順調でいたるところで追い星くっきりの縄張りアユが確認出来る。日置川下流のそ上は少し遅れたが、例年並みの見込み。型は少し小ぶり。放流はダム上下流ともに海産のみ放流で、量は昨年よりも1割増。日高川・龍神は水況が安定せず放流が遅れたが、18日までに予定量が放流された。今後、状況を見ながら追加放流も予定されており、魚影は濃く最盛期にむけて面白くなりそうだ。有田川は小ぶりだが天然そ上が昨年よりも非常に多い。梅雨明けから終盤にかけて数釣りが楽しめそう。二川ダム上流は追加放流の予定あり。紀の川もそ上が良好。終盤の大アユにも期待したい。

 【滋賀県】 安曇川中流の朽木は解禁が1週間早まる。そ上も良好で成育も順調。川相も徐々に回復してきている。

 【京都府】 上桂川は湖産アユが放流され、活発な追いが期待できそうだ。美山川は昨年は人工産のみの放流だったが、今年は人工産3600キロと湖産300キロ。湖産は下流域に放流。

 【兵庫県】 揖保川は3月20日頃からそ上が始まり昨年よりも数が多い。解禁までに人工産120万匹、7月中旬までに60万匹を放流予定。成育も良好で大きいもので18センチに育っている。終盤の尺アユにも期待したい。千種川は例年並みのそ上の見込み。現在放流途中で6月12日に終了予定。三河地区から上流が良さそう。

 【中国地方】 広島・江の川は放流が順調に進みハミ跡も確認できる。梅雨明けからがベストシーズン。鳥取・千代川はそ上は少し遅れたが、例年並み。友釣り専用区が1カ所増えた。日野川はそ上は遅れ気味。河川の状況を見ながら放流量を調整する。島根・高津川はそ上は確認できるが遅れ気味。初期は匹見川の上流が良さそう。

 【四国】 仁淀川は天然そ上はかなり良い。成育良好で、試し釣りでは大きいもので20センチが釣れている。友釣り専用の黒瀬、柳瀬が良さそう。海部川もそ上、成育ともに良好。四万十川は1人一瀬のゆったりとした友釣りが楽しめ、終盤には尺アユが狙える。

 【九州】 球磨川は、例年9月上旬頃から中、下流域で尺アユが狙える。そ上は昨年よりも多い。五ケ瀬川は水況が良く、成育良好。そ上も昨年より良い。解禁は昨年よりも早く、6月1日。【日刊FPC・下田成人】