野島杯連覇! 横浜・金沢八景沖にある野島防波堤で2日、「第10回野島杯争奪クロダイ釣り大会」が開催された。うだる暑さの中、計60人がクロダイのサイズを競い、午前中で納竿(のうかん)した結果、47・8センチ(1・9キロ)を仕留めた平間卓さん(73=東京都町田市)が、わずか6ミリ差で昨年に続いて優勝を勝ち取った。野島防波堤海津クラブの田中正司名誉会長(72)がルポする。

 「野島杯-」は午後4時までを予定していたが、猛烈な暑さのため、熱中症など健康被害が心配され、急きょストップフィッシングを正午に変更して実施された。

 快晴下、参加者は午前7時に渡船し、それぞれが狙う釣り場に渡り競釣をスタート。平間さんは「ドック堤」でサオを出した。この日、潮回りは大潮で満潮が午前5時26分、ソコリ(最干潮時)は午後0時16分-終始下げ潮時での釣りになり有利のはずだったが、海が穏やかすぎた。南東の微風で海はベタナギに近い状態。俗にいう<ナギ倒れ>現象で、魚の活性は思ったほど高くない。当然、食い渋りも激しく、苦戦を強いられる展開に-。

 そんな中で、平間さんのサオが激しくギュギューンッ! イ貝の稚貝ダンゴを付けエサにして落とし込み、それに食いついたクロダイが47・8センチだ。しばらくして、「青灯堤」で佐藤達夫さん(63=東京都江東区)もイ貝の稚貝ダンゴで47・2センチ(1・58キロ)を仕留め、さらにドック堤にいた吉原博さん(48=東京都江戸川区)はゲタガニをエサにして43・5センチ(1・36キロ)を釣り上げた。

 最終的にドック堤と青灯堤で3匹ずつ出て、計6人がクロダイを提出。当初、審査タイ象はクロダイの総匹数だったが、それぞれが1匹ずつだったことでこれも急きょサイズ(全長)審査に変更。その結果、6ミリの小差で平間さんが昨年に続いて制覇を果たし、同時に大物賞もゲットする快挙を達成。「今年は楽しみながら釣ろうと、あえて1番人気のドック堤を選択したが、朝の1投目に仕留めることができて幸運でした」と話す。佐藤さんは惜しくも準優勝、3位はこちらも(4位と)5ミリ差というわずかな差で吉原さんが食い込んだ。

 大会はコンディションが厳しかったせいか、期タイの50センチ超は出なかったものの、その後、ドック堤をはじめ、青灯堤や「中廊下」「新堤」などで50センチが連発し、数も4日にトップが5匹、9日は全体で計15匹みている。今年は<当たり年>色が濃く、特に8月は最盛期でもあり、今後も条件によってはまだ好釣のチャンスはある。

 ◆大会成績(クロダイ1匹の全長) (1)平間卓47・8センチ(2)佐藤達夫47・2センチ(3)吉原博43・5センチ(4)狩野誠司(47=東京都武蔵野市)43センチ(5)伊藤悟(58=東京都町田市)39センチ(6)福田隆(53=川崎市)37・4センチ ▼大物賞=平間卓47・8センチ(敬称略)

 ▼渡船 日刊スポーツ新聞社指定「村本海事」【電話】045・781・8736。渡船1人4000円で午前7時と正午便(午後3時45分便の夕まずめ釣りは2000円)で、帰港は日没が目安。女性&中学生以下は2000円。ほか1家族4人まで6000円のファミリー割引もあり。土曜日は午後8時半帰港の夜釣りもOKで朝&正午便からは5000円、夕まずめ釣りからは3000円で詳細は要確認。毎週木曜日定休(祝日は営業)。HP<http://www1.seaple.icc.ne.jp/muramotokaiji/>

 ▼交通 電車は京浜急行・金沢八景駅からシーサイドラインに乗り換えて野島公園下車。車利用の場合は詳細要確認。