東京湾に秋のワラサがやってくる! 8月末~9月初旬に神奈川・剱崎~久里浜沖で大フィーバー後、千葉・内房にブリ級が入ってきている。保田「村井丸」では、今月2日に7・9キロも釣れた。勝山「宝生(ほうせい)丸」でも、12号のハリスがブチ切られている。何かがいる。ワラサに燃える秋の東京湾を追ってみた。

 「村井丸」では、今月2日に7・9キロと7・2キロのブリに近いワラサが釣れた。ブリを頂点とする出世魚の名称に関して、8キロ以上からワラサではなくブリと称する。村井智博船長は「いきなり釣れたからビックリしたね。エサはオキアミ。まだ、沖にいる。今は台風後でひと休みだろうけど、また、くるよ」と笑顔で話す。

 そんな情報を耳にして、11日に村井丸に乗船した。台風18号が通りすぎた直後で、海はベタナギ。開始早々、トモ(船尾)でマダイがあがった。3キロ級のナイスサイズだ。幸先がいい。マダイは13日も、お父さんと一緒にきた中学生が2匹釣り上げるなど、今春の不調さをみじんも感じさせない。

 注目のワラサは結局釣れず、2キロ級のイナワラ(イナダよりも大きく、ワラサほどではない大きさの魚)が掛かった。胴回りもでっぷりとして、脂乗りの良さがよく分かる。これでワラサがヒットしたら…うれしい妄想が頭の中で広がる。

 途中で35センチ前後のアジが入れ食いになり、そのアジを泳がせて狙ってみたが、この日は残念ながらワラサの姿は見られなかった。

 勝山港の「宝生丸」では非常事態が発生していた。5日に10・2キロのブリが釣れたのだ。高橋栄船長は「何かいるね。通常、ワラサのハリスは8号6メートル。10号のハリスでぶっつり切られた。それで13日に12号で仕掛けを落としたら、それもぶっつり。いる。デカいのがいるね」と腕組みをした。夢が広がる。【寺沢卓】

 ▼宿 保田「村井丸」【電話】0470・55・1121。午前6時出船。3キロのオキアミと氷付きで1万円。勝山「宝生丸」【電話】0470・55・2777。午前5時30分出船、3キロのオキアミ付きで1万1000円。料金割引があるからHPを確認してね。久里浜「大正丸」【電話】046・835・0076。午前7時出船、氷、コマセ、付けエサ付きで1万円。毘沙門「新店丸」【電話】046・881・6637。ハモノ釣りは午前7時30分出船、氷付きで9500円。