ワカサギ釣りがようやく本格化の様相をみせ始めた長野・諏訪湖で９月２７日、「２０１５日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」ファミリーフィッシング大会が開催された。家族連れを含む計７６人が参加。あいにくワカサギの食いは渋く、苦戦を強いられる中、一般男子の部は島村直樹さん（６４＝群馬・長野原町）が最多重量９００グラムをマークし、１５度目の優勝を勝ち取る偉業を達成した。
競釣は、ボート組とドーム船組に分かれ、午前７時にスタート。水温は１８度台でやや高めながらも、曇天下でそれほど寒くなく、コンディションとしては上々－と思われたが、肝心のワカサギが食い渋った。
アタリがあってもハリに掛からずバレるケースが連発。これにじれる人も多かったが、それでも、ビギナーが集中したドーム船では銀箔（ぎんぱく）のワカサギが躍り上がるたびに「釣れた」の歓声が飛び交う。
そんな中、着実に釣果を伸ばしていたのが島村さんだ。ドーム船に近い場所に手こぎボートで入り、前半は４・５メートルの渓流ザオ２本を出し、後半は全長３０～４０センチの自製サオにチェンジして、６本バリの仕掛けをまめに上下させながら誘う。
水深は３メートル前後で、当たったタナ（魚の遊泳層）はほとんど底付近だが時折、仕掛けをたるませ底にはわせるパターンも盛り込む。エサは紅サシで「食いが悪いときは２～３個切って、出る汁がコマセ的効果になる」ことを狙い、正午のストップフィッシングで断トツの９００グラムだ。
島村さんに迫ったのが、エンジン付き和舟に乗り込む滝浪恭史さん（６６＝静岡県富士宮市）だ。前日の試釣で当たった場所を選び、こちらもまめに誘い、最終的に８００グラムをゲット。「バラシが結構あったし…でも、準優勝は上出来」と笑顔。
女性陣も接戦だった。優勝したのは、滝浪さんの和舟に同乗した佐野あきみさん（６１＝富士宮市）で４６０グラム、わずか２０グラム差の４４０グラムで続いたのが永塚いさ子さん（６８＝東京都武蔵村山市）で、どちらも「底から宙層間で誘った」そう。４１０グラムで３位に食い込んだ津田有記さん（４３＝長野県安曇野市）は「息子（匠クン）に釣り方を教えてもらった」と謙虚に話す。
その匠クン（１２）は、お母さんより多い４３０グラムを収め、中学生以下ジュニアの部で準優勝。優勝を獲得したのは、ドーム船で父親の唐木英樹さん（４４＝長野・箕輪村）と一緒にサオを出した智徳クン（１０）で、何と５２０グラムを収め、やはり「まめに誘った」結果だという。【長瀬川忠信】
▼問い合わせ 日刊スポーツ新聞社指定「諏訪湖レジャーセンター」【電話】０２６６・５３・６５４０。ボートは手こぎ２人乗り３６００円から、ドーム船大人２７００円、中学生以下１５００円。エンジン付き和舟もあり（小型船舶免許が必要）。遊漁料は高校生以上１０００円で中学生以下無料。観光釣りコースもあり詳細は要確認。ＨＰ＜http://homepage3.nifty.com/suwakoen/index.htm1＞
▼交通 電車はＪＲ中央本線・上諏訪駅からタクシー利用。マイカーは中央自動車道・諏訪インターから諏訪湖・原田泰治美術館を目指す。詳細要確認。
※ワカサギ資源保護のため、１０月から翌年５月３１日まで釣り時間を午前７時３０分から午後３時まで、釣果はひとり上限５００グラムまでの自主規制を実施。
◆ファミリーフィッシング大会成績＝ワカサギ総重量審査
▼一般男子の部（ベスト１０） （１）島村直樹９００グラム（２）滝浪恭史８００グラム（３）奥山昭治（６８＝埼玉県飯能市）６８０グラム（４）山田寿和（５９＝長野県茅野市）６５０グラム（５）兎沢雅英（４０＝東京都日野市）６４０グラム（６）吉岡輝雄（６７＝千葉県野田市）６３０グラム（７）中村行彦（６３＝長野・下諏訪町）５６０グラム（８）永塚健蔵（６９＝東京都武蔵村山市）５５０グラム（９）糸山裕次（７０＝下諏訪町）５３０グラム（１０）野沢純成（４１＝茅野市）４５０グラム。
▼女性の部（ベスト３） （１）佐野あきみ４６０グラム（２）永塚いさ子４４０グラム（３）津田有記４１０グラム
▼中学生以下ジュニアの部（ベスト３） （１）唐木智徳５２０グラム（２）津田匠４３０グラム（３）丸田力也（１１＝長野県上田市）３５０グラム（敬称略）
※規定 使用ザオ２本まで、仕掛け自由。総重量で同量の場合、順位はジュニアで年齢が若い方、女性＆一般男子は年齢が上の人を優先。
▼賞品 各部の優勝者には、がまかつ提供の高級グラスロッド「ワカサギ銀庵（ぎんあん）２－６００」（１万円相当）ほか上位入賞者を含め、マルキユー提供のドライバッグ「ＭＱ－０２ホワイト」（６５００円相当）など副賞を贈呈。ジャンケン大会では一般男子の部で最下位だった長谷川裕さん（５２＝長野県松本市）が、地元上諏訪温泉「ぬのはん」のペア宿泊券と新米１０キロをダブル獲得する快挙！？ を果たした。
