閉じるのか、それとも開くのか。「2015日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」ヘラブナ部門の埼玉・円良田(つぶらた)湖予選が15日に実施される。30人の定員はすでにいっぱい。そこで、予選に出る人も、出ない人も、この時期をどう釣るか、気になりますよね? 1日に梨ノ木桟橋で行ったヘラブナ釣りクリニックに参加した7人の声から、エサ使いの微妙なタッチに釣れるヒントが見えてきた。

 こんにちは、ヘラブナ道場の師範代、関川康夫です。秋の円良田湖は、浅ダナでテンポよく速い釣りで匹数を釣るパターンと、やや深場を探って大物を狙うチョウチン釣りに分かれるでしょう。

 その際に気をつけたいのはエサの配合ですね。浅ダナなら、開いて(エサがバラけること)集魚させながら食わしてみる。

 チョウチン釣りなら深場まで持たすために閉じ気味(エサがまとまっていること)でありながら、タナまで落ちた段階でじんわりと開いていくことを理想としましょう。

 誰もが相性がよくて、よく使い慣れたエサがあると思います。そこから1歩飛び出して、状況によって配合を変える冒険もしてみてください。

 それとベースになる段差バラケのようなエサを「隠し味」に使うのも面白いでしょう。

 大関実コーチは「深場でエサを持たせたいときは、硬くするか、粘つかせるか、大きくするか、の3つ」とアドバイスする。

 ◆チョウチン釣り 凄麸(すごふ)をベースにして、バラケマッハと水をしっかり吸わせた粘麸(ねばふ)を加える。この3種でつくるのが基本だが、最後に手に水をつけて、段差バラケをパラパラと足していく。

 ◆浅ダナ 重くならず軽い配合を目指してみましょう。ガッテンをベースにして凄麸とGTSで、ふんわりと開いていくエサにする。ヘラは表層近くまで浮いているので、テンポよく口を使うように開かせましょう。

 ★18尺 田中富美雄さん(73=群馬・伊勢崎市、ヘラ歴50年) どうしてもいつもの釣りになってしまう。大関コーチと話していて、大事だと感じたのは、エサがどうバラけていくのか。そのためには、同じ配合でもエサをどの硬さにするのか。ためになりました。

 ★16尺 柿沼宏信さん(43=群馬・みどり市、ヘラ歴25年) 自分のスタイルをついつい追いかけてしまう。「段バラ」のような個性の強いエサは、メーンで使うとばかり思いこんでいた。エサを仕上げてからパラパラと「ちょい足し」するなんて思ってもみなかった。勉強になります。

 ★17尺 高草木友也さん(30=伊勢崎市、ヘラ歴2年) ヘラを釣るのは1年ぶりぐらい。いつもはバス釣りとかをやってる。ヘラも管理釣り場ばかりで、天然の湖はほぼないです。師範代とお話をして、ヘラにもいろんなフィールドがあって、その状況に応じて、エサの大きさや硬さ、ハリスの長さを変えて対応する重要さが分かった。

 ★10尺 片貝真さん(63=群馬・前橋市、ヘラ歴43年) 師範代にエサをなおしてもらったら、釣れました。今まで「GTS」は使ったことがなかった。こんなに効果的だとは思わなかった。いろいろ試してみることから釣りは始まるんですね。

 ★10尺 酒井博俊さん(60=伊勢崎市、ヘラ歴26年) 今日は序盤いいリズムで次々に釣れた。浅いタナは得意ですねぇ。ただ、エサを開かせるのか、それとも少しだけ閉じて持たせる方がいいのか。浅ダナでも決めつけずに臨機応変さは必要ですね。

 ★12尺 金子寿一さん(71=前橋市、ヘラ歴44年) どうしてもエサを練り込んで硬くしてしまう。空ツンが多くて、師範代にSOSをだしたら「しっとりボソ」のエサをつくってくれた。正直なところ、水に入れた瞬間で溶けちゃうんじゃないか、と不安でしたが、6連続ヒットさせてたまげました。

 ★がまかつ迅凛刀19尺 雨宮学さん(50=埼玉・長瀞町、ヘラ歴30年) 前回も参加して、迅凛刀を借りました。ヘラが掛かると、自然と上を向かせてくれる。サオは細い割に力強く粘ってくれる。トルクが強い、という印象ですね。

 【問い合わせ】円良田湖「たきざわ」【電話】048・581・0523。11月中の新ベラ約2トン放流が決定している。