4年ぶりの優勝で大物来たぁ~! 「2015日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」南房・外房地区のマダイ大会が4日、実施された。吉浦「八平丸」を本部に小湊「鯛丸」と2地区で32人が参加した。鯛丸から出漁した村上貴彦さん(56=和光市)が4・21キロを釣り上げて優勝し、2011年以来の美酒に酔った。準優勝はマダイ釣り初挑戦の玉置純一さん(31=江戸川区)がゲットした。

 村上さんのサオがギューン、としなった。午前9時30分すぎだった。水深約50メートル、タナは海面から40メートル付近だった。「そんなに時間はかからなかった。イサキしか掛かっていなかったので、すぐマダイのアタリと分かりました。でも、4キロオーバーとは…うれしいです」と笑顔をみせた。重さは4・21キロ。堂々たる優勝魚だ。

 ちょうど潮止まりで下げに入るころだった。何も反応のなかった船内では、ポツリ、ポツリとマダイが上がってきていた。「これは来るな、と」。そう感じた村上さんは、手返しよくコマセを打っていった。常にタナにコマセで煙幕のはった状態をキープした。機を見て敏。周囲の状況から的確な行動をとれたことがヒットにつながったようだ。

 4年前にも優勝した。そのときは大会があることすら知らずに、電話でマダイの予約を入れたら鯛丸から「大会だけどいいかい?」と念を押されて「まっ、いいか」と気軽に乗ってしまった。釣果は1・7キロとやや物足りなかったが、全体的な食い渋りもあって、スルスルと優勝してしまった。以後、大会には毎回参加している。「今回は4キロ超。優勝の実感を持てますねぇ」と村上さんはまた笑顔をみせた。

 準優勝の玉置さんは、吉浦「八平丸」から乗り込んだ。2012年に優勝経験もある梶田茂善さん(62=江戸川区)に誘われ、釣り経験はほとんどなかったが参加した。長靴は父親、カッパやサオなどの釣り道具はすべて師匠の梶田さんから借りた。自分の持ち物は帽子ぐらいだった。

 仲乗りさんからのマンツーマン指導を受けながら「師匠や仲乗りさんに言われたことだけをやっていたら釣れた」と1・42キロを仕留めた。「釣り、ハマりそう、ッス」と玉置さんは目を細めた。

 3位の白井明夫さん(61=市原市)は「鯛丸」で4匹釣った。3匹目で3・55キロをキャッチした。「船長の指示ダナ通り。数も釣れたし、サイズも出た。面白いですね」と話した。

 今後、秋の深まりとともにマダイ狙いでヒラマサやワラサの外道も入ってくる。これから南房&外房ではマダイ釣りの本番を迎える。【寺沢卓】

 ▼記録 (1)村上 4・21キロ(2)玉置 1・42キロ(3)白井 3・55キロ(4)鯛丸・木内建雄(多古町)1・93キロ(5)鯛丸・斉藤崇(品川区)1・38キロ(6)鯛丸・大村富士雄(江戸川区)1・31キロ(7)鯛丸・斎藤澄人(上尾市)1・26キロ(8)八平丸・吉原和男(足立区)1・20キロ(9)八平丸・吉田志津男(足立区)1・10キロ(10)鯛丸・北川弘宗(千葉市)940グラム

 ※マダイ1匹の重量審査。記録は横取り方式を採用。1、2位は両船のトップの順位で、3位以降は両船合わせた重量順。敬称略。

 ▼賞 V2の村上さんには、優勝トロフィーと賞状、副賞として、がまかつ提供の軽量高感度ライトボートゲームロッド「ML-195」(3万6500円相当)などが贈られた。