アマゴもシーズン・インだ。1日に再開した兵庫・三田市「小柿川渓谷放流釣り場」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)に6日、釣行した。減水、快晴、おまけに繁殖期で食いはいまひとつ。脈釣りで午前6時半から午後4時まで釣り、記者は15~22センチのアマゴ12匹だったが、砂場富隆さん(伊丹市)は、さまざまな誘いをかけて16~22センチを20匹釣り上げた。気温が下がり、水位が戻れば、活発なアマゴのエサ追いがみられるはず。本格シーズンはこれからだ。

 食い気の落ちたアマゴをソノ気にさせ、見事に食わせるワザを見た。午前6時過ぎ、記者は野外センター横の河原に降りた。脈釣りでエサはイクラ。長めのサオを使い、同6時半ごろ、ハリに2粒つけて仕掛けを投入する。

 まず狙うのは、前日までに釣れ残った“居残り”のアマゴだ。朝で食い気も立っており、数投目に目印がスッと水中に引き込まれた。合わせを入れ、あがってきたのは約17センチのキレイなアマゴ。幸先がいい。このあと3匹を追加するが、1時間ほどすると食いが止まった。同8時半に待望の放流があり、直後から6匹をゲット。しかし、これもアマゴが水に慣れるとともに活性がダウン。親子で来ていた佐藤要さん(三田市)は昼すぎまで釣り、2人で23匹。「息子と一緒に楽しめたけど、もうちょっと釣りたかった」と苦笑いしていた。

 最近雨が少なく、この日は平水より10センチほど減水。その分流れも少なく、しかも快晴のため警戒心の強いアマゴがより用心深くなっていた。さらに、今は繁殖期にあたり、オスがメスを盛んに追い回すシーンが目立つ。言ってみれば“食い気より色気”の状態だ。それをいかに食わせるか、を実践していたのが渓流釣りが趣味という砂場さんだ。

 砂場さんはイクラだけでなく、青虫やミミズ、川虫など多くのエサを用意。「エサを替えることで目先を変えるんです」と、エサの青虫を水中で引く。アマゴがそれに興味を示して追ってくるが、途中で離れる。「逃げてもいいんです。誘いを繰り返すことで食ってきますから」との言葉通り、数度繰り返すと食いついた。根気が必要なのだ。

 記者もエサをブドウ虫に替えてみると、確かにアマゴの反応が違う。食い渋りの中、ブドウ虫で1匹、砂場さんからいただいた青虫でも1匹をゲットした。

 結局、記者は午後4時まで粘ったものの12匹どまりだったが、砂場さんは20匹を釣り上げた。この日は食いが渋かったが、シーズンはこれから本格化。美しい自然の中、思い切りアマゴ釣りを楽しんでほしい。【高垣誠】

 【今後の見通し】釣行当日の水温は15度だったが、もう2~3度下がるとアマゴの活性がよりアップする。気温が下がってくるこれからが狙い目だ。快晴の日よりも、水が緑っぽく濁る“ササ濁り”のときがなおいい。

 【問い合わせ】小柿渓谷放流釣り場【電話】079・569・0693。営業時間は午前6時から午後5時。入漁料はエサ釣り、ルアー、フライともに大人3800円、女性・子供(小学生以下)は3000円、午後からの半日券は同3000円、同2500円。休業日は毎週火曜(ただし祝日は営業)。貸しザオ1500円(保証金500円含む)。仕掛け、エサ常備。無料駐車場あり。

 【交通】中国自動車道の西宮北ICを出て国道176号を北へ。三田市内の三輪交差点を右折、県道37号に入り約20分。電車はJR福知山線、または神戸電鉄で三田駅から神姫バス「小柿」行きで終点下車。徒歩約5分。