ヘラブナ師が待ちに待った新ベラ放流の季節がやってきた。8日に約1トンが放流された和歌山・橋本市の「隠れ谷池」へ15日、釣行した。午前7時すぎから、27尺の底釣り(両グルテン)で開始。沖からサオを絞り込む強引きを楽しみながら、午後4時までに32~37センチを60匹釣り上げた。そのほとんどが丸々太った新ベラで、その強い引きに手が痛くなるほどだった。また昼からの「MFCシャイン」の例会の総重量も29キロで優勝を飾った。

 午前6時、池に到着。釣り座は新桟橋新駐車場向きの奥。8日に新ベラ約1トン(平均700グラム)が放流されたと聞き、迷わず27尺を選択。人の気配や物音を嫌がり、沖に潜んでいるだろう新ベラがターゲットだ。

 かけ上がりを狙うため底釣りの両グルテン。水深は約3メートル。小指の爪ほどにエサ付けして開始。4投目、なじみ際でドンと力強い1節入るアタリで合わせると、サオにゴンゴンと首を振るヘラの感覚が伝わる。新ベラ独特の強い引き。慎重に取り込んだのは、ほれぼれするような肉厚の35センチ。

 その後も同様のアタリやなじみ際にサワリが出て、連動して釣っていく。そのほとんどが新ベラで、これだけ数がそろうのは珍しい。一心不乱に釣り続けると、数投ごとにサオが沖に引き込まれ、手が痛くなる。同11時までに32~35センチを21匹釣り上げた。

 同11時半からは、例会で総重量を競った。当然ここも沖狙い。1投目から、ウキがなじんですぐにチクッと1節入り、ギュギュッと糸鳴り。取り込んだのはこの日一番の37センチの美形。その後、約1時間で11匹、10キロ。次のフラシも同匹、同重量。明らかに沖の新ベラ狙いが決まっている。

 グルテンの硬さをローテーションしたり、ヘラがエサを吸い込んだ時の違和感をなくすためはわせ気味にウキ下を調整するなどして、基本的には早いアタリを狙う。待つとジャミであったり、旧ベラが釣れてしまう。最後に3連発で競技終了。結果は39匹、29キロと2位に10キロ差で圧勝した。

 あらためて長ザオの強さを感じた。そして、新ベラの強烈な引きに、手が痛いとぜいたくな悩みを持ちながら満足の納竿となった。【日刊FPC・土屋直人】

 【今後の見通し】10月15日と11月8日に新ベラ(各1トン)が放流された。8~11尺のメーターセット、チョウチンセットとも釣れている。新ベラは沖、25尺以上に付いているイメージ。今回の様に両グルテンの底釣りで狙いたい。新ベラの活性がもっとあれば21尺前後で両グルテンの宙釣りも面白いだろう。

 【問い合わせ】隠れ谷池【電話】0736・34・1482。営業時間は、午前7時から午後4時。定休日は金曜日。ただし祝日の場合は営業(前日の木曜が休日)。大人1500円、午前11時からの半日は1000円、女性・高校生はともに500円。中学生以下は無料。エサ常備。無料駐車場あり。また旧トイレは廃止されたので注意。

 【交通】京奈和自動車道の橋本ICを出て、橋本IC南の信号を右折、国道371号を南下。南海高野線を越えて、次の交差点を左折。同池へ。