千葉・内房のアオリイカ、今季は大型が多いぞ! 勝山「宝生丸」(高橋栄船長)では、秋のアオリイカが好乗りだ。エギで底を取って、シャクって誘うティップランで、800グラム~1キロのビッグサイズが掛かっている。イカを確実に乗らせるまでの極意も含めて、リポートする。

 まだ、潮温は快晴だと20度近くまであがってしまう。現在17~18度前後というところか。「海の水はまだぬるいね」という高橋船長は「水が冷たくないからなのか、アオリイカのサイズは例年よりも大きい。ウチでは2・3キロが記録なんだけど、今季は抜いちゃうかもねぇ」と笑顔をみせた。

 11月28日に船に乗った。タコボウズ記者はティップラン初体験だ。オモリ付きのエギを着底させて、底から2~3メートルまでシャクって、動きを止める。しっかりと動きを止めた直後、もしくは瞬間にグンッ、と重さを感じる。アオリイカの「乗り」だ。

 アオリイカを含むイカの仲間は「釣れる」とは表現しない。エギを10本の足で包み込むように抱きついてくるため「乗る」という。その乗りが分かりやすく「グンッ」とロッドを持つ手に伝わってくる。楽しい釣りだ。

 この日のトップは9匹を乗せた白井宏典さん(28=千葉市)で、ティップランを始めて5年のキャリアを持つ。

 「その日の状態によって、スローな動きの方がよかったり、ベタ底じゃなくて少し浮いていたり、この一定していないのがアオリの楽しみのひとつ」

 まず、大事なのは「底を取る」。エギ自体には浮力があるため、ティップラン用のエギにはオモリが内蔵されている。確実に底に落とさなければいけないので、やや重めの4号オモリのタイプを中心に用意しておくといい。

 ヒットするカラーは、そのときによって違うため、オレンジ、金、赤、青、緑、黄色などよりどりそろえておくのがいいだろう。

 「一生懸命シャクっても、そのシャクリがサオ先に伝わっていない場合が多い」と白井さんが指摘した。

 ラインは着底したら張った状態がいい。サオを大きくシャクって動かし、底からちょっと浮いたエリアで誘う。3~7回のシャクリで、その途中でグンと乗ってくる。

 道糸は1号。サオは胴で効くタイプの軟らかいサオがいい。チョイ投げもできるようにスピニングリール。リーダーはフロロカーボン1~2号を1・5メートルでいい。ただし、エギを投げることは広くは探れるが、根掛かりの覚悟はしないといけない。

 「いかに着底させるか。そこが本当に大事ですね」と白井さん。

 白井さんは28日の午前便で9匹、同午後便は8匹、そして翌29日は午前便では6匹だった。

 タコボウズ記者は、名前のようにボウズ(釣果ゼロ)でした。開始から約1時間で主力となる4号のエギが根掛かりなどでなくなってしまった。次回は、ちゃんと底の取れる装備をして、またチャレンジしたい。アオリイカはこれからですよ。【寺沢卓】

 ▼宿 勝山「宝生丸」【電話】0470・55・2777。アオリイカのティップラン乗合は、午前6時出船。氷付きで1万円。午後便は午後1時30分出船で、日が暮れたあとも沖での夕まずめも狙える。そのほか富浦「共栄丸」【電話】0470・33・2116。詳細は要電話。