釣具店に必ずある2000円台のサオ&リールのチョイ投げタックル、って知ってますか? 「そんなので、釣れるのぉ~?」。そんな声も聞こえそうなので、実験をしてみました。千葉・館山のおか釣りポイントから激安タックルで釣ってみましたぁ~! な、なんと投げ釣り初体験の女の子がヒラメを釣ってしまいました!

 千葉・房総半島。投げ釣りの絶好ポイントの宝庫なんです。特に館山市は釣りに適した釣り場が多い。

 「でも、そんなことやったことないし、釣り道具だって持ってないもん」

 安心してください。初心者、手ぶら大歓迎です。

 釣具店に行ったことのある人なら、誰もが1度は触ったことのある、サオとリールがセット。そうそう、あの2000~3000円の安いセットです。

 「そんな安けりゃ、道具としてどうなの? 釣れないでしょ?」。では、買ってみましょう。一体どんな魚が釣れるのか? 楽しみですねぇ~。

 取材をしたのは、12、13日の土日の連休。メンバーは釣り好きの男女10人が集まりました。今回は、陸からの投げ釣り初体験のリョーコちゃん。築地で日本酒専門の居酒屋「熊ごろう」店主のクマさん。そして、いつも仲良く一緒に釣りに行く夫婦ペアのワサオ&トドミ。この4人に注目してみました。

 まず、釣り道具を仕入れに館山「マリンスポット釣吉」へ。あった、ありました。入り口のすぐ近くに2360円のサオ&リールのセットが。クマさんは青、リョーコちゃんは赤、タコボウズ記者が黄色を購入。さらに「チョイ投げセット」という仕掛けがあって380円。道具はこれだけ。

 初日の12日は、館山市の西浜にある丸山堤防。地元の釣り人もなかなか知らない、穴場である。大丈夫ですよ、民宿前に無料駐車場がありますから。

 まずは、投げの練習から。激安ザオではあるが、しなりはしっかりしている。サオのしなりで軽く投げると、非力なリョーコちゃんでも、軽く20メートルは投げられる。期待が持てそうだ。

 丸山堤防では、海に向かって左側は海藻などが多くて、根掛かりが気になってしまう。同右側から「とりゃー」などと大声で投げてみてください。ストレス解消にもなりますよ。ただ、クサフグが強引に割り込んでくるので注意したいところだ。

 それでもリョーコちゃんは「楽しいー。フグのアタリも独特で面白いねぇ」と興奮気味で「投げ釣りがこんなに楽しいなんて」。この堤防では16~19センチのシロギスも釣れました。これは楽しい。

 12日は快晴だったが、翌13日はシトシト雨。那古海岸を選んだ。夏の海水浴ではにぎわっていたが、今の時期は誰もいない。砂浜を独占できちゃう。これは気分が最高だ。

 投げてすぐに答えが出た。

 クマさんがシロギスをヒットさせた。ワサオが25センチ前後のイシモチをキャッチした。ヒイラギやハゼも続々と釣れる。ちょうど浜と平行する濁りと澄んでいる海水の境でアタリが連発した。波打ち際から約20メートル。水温は20度前後だったので、タコボウズ記者はサンダルを脱いで、はだしでふくらはぎまでつかって投げた。ぬるめの温泉のようだ。気持ちいい。

 リョーコちゃんがイシモチを釣った直後に奇声を上げた。「キャー、何これ?」。おっ、事件か? みると700グラム前後のヒラメだ。砂まみれだったので、タコボウズ記者が洗い落とすのに波打ち際へ…あっ、つるん。写真を撮る前に逃がしてしまった。

 リョーコちゃんは「また、大きくなって釣れてくれます。あんまり悔しくない。ヒラメ、元気に育てよ」と太平洋に向かって叫んだ。房総半島の投げ釣り、自分の時間で気の向いたときに投資額も抑えめでサオを出せますよ。【寺沢卓】

 ▼問い合わせ 館山「マリンスポット釣吉」【電話】0470・33・2880。24時間営業。館山道富浦インターを左折してすぐ、ローソン隣のイエローの建物。近隣の釣り場の相談はいつでも受けまーす。

 11月より磯メジナ&クロダイダービーを開催中(来年2月末まで)。期間中なら何度でもチャレンジ可能。メジナとクロダイの2部門。それぞれ、期間内に釣った5匹の総重量勝負。1匹から入れ替えられます。「これから潮温が下がってきたら本番です。みなさんの挑戦をお待ちしています」。