水温の低下に伴い、待望の寒グレシーズンが本格化。11日、三重・九鬼の磯へ良型を狙って釣行した。同所の「黒潮マリンクラブ」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の船で早朝から一級磯「ゴロ一番」に渡礁。潮の流れが悪く、当て潮の時間帯が長く続いたが、30~40メートル沖にまきエを集中的に効かせて食い渋るグレを攻略。午後1時の納竿までに30~40センチを8匹食わせた。磯際のハエ根に突っ込むグレ特有の強烈な引きを存分に楽しんだ。

 遠投釣法で、沖に潜むグレを攻略した。

 午前6時前、九木崎の「ゴロ一番」に上がり東向きに入った。夜が明けるのを待ってからオキアミを刺してウキ下4ヒロでサオ3本沖へ仕掛けを投入。潮は沖から足元に突いてくる当て潮。刺しエとまきエを同調させて流すこと数回、思っていたよりエサ取りが多く、刺しエがきれいに取られてハリだけが手元に返って来る。

 そこで「グレは沖に潜んでいる」と読み、ウキ下を3ヒロと浅くする。まきエを5~6杯、30メートルほど沖に打ってから仕掛けをまきエに合わせて投入。さらにウキの頭に3杯のまきエをかぶせて刺しエをなじませた。

 すると数投目、人さし指で押さえていた道糸がバチバチッと勢い良く弾かれ、サオ先がギューンと水面に引き込まれる強烈なアタリをもらった。

 「やっぱりグレは沖におったか!」と、大きく合わせを入れる。磯際での強い引きを交わして水面に浮かせたのは、35センチのグレ。さらに同ポイントを攻めると36センチの尾長グレもヒット。口太グレの数倍とも言われる引きを楽しんでタモに滑り込ませた。

 その後もアタリの出た食わせパターンで沖を攻め続け30~35センチを3匹追加したが、まきエが入り過ぎるとグレのアタリも少し遠のき、2時間ほどはエサ取りとのシーソーゲームが続いた。

 同11時すぎ、干潮の時刻を迎えると潮がゆっくりと九木崎方向へ流れ始める。「ラストチャンス」とみて、ウキ下を4ヒロに戻し、やや深ダナで良型を探る。この狙いが的中し、2投目に赤いトップが視界から消えた瞬間、サオ先をガツーンとひったくられるアタリ。やはりグレは潮次第か。慎重に取り込んだのはこの日の最長寸40センチ。続いて33、35センチを追加し午後1時に納竿。寒グレの力強い引きをたっぷり味わい、満足のいく釣行となった。【日刊FPC・兵頭良弘】

 【今後の見通し】九鬼の磯の寒グレ釣りは、これからの産卵期に向けてさらに本格化する。型もひと回り大きくなり35~45センチクラスが高確率で狙える。オススメの磯は九木崎、ゴロ一番、ゴロ二番、ボーズ、タテカベなど。潮通しが良く、海底が変化に富んだ磯場が狙い目だ。

 【問い合わせ】黒潮マリンクラブ【電話】0597・29・2818。渡船料金は4500円。出船は午前5時半ごろ。弁当はなし。

 【交通】大阪から、西名阪自動車道、名阪国道を経由。紀勢自動車道・尾鷲北ICを出て国道42号を南下。尾鷲市内を経て、新矢ノ川橋西の信号を左折し同311号を南下。八鬼山トンネルを抜け、JR九鬼駅の向かい側が渡船場。