早春の渓流釣り解禁を前にアマゴ釣りの感触を思いだそうと22日、兵庫県三田市の「小柿渓谷放流釣り場」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)に出掛けた。雪解け後の低水温で魚の活性は低かったが、午前8時半~午後0時半までに17~22センチのアマゴを19匹キャッチすることができた。春の訪れを予感させるアマゴとの出合いを楽しんだ。

 まず早朝から居残り(前日までの釣れ残った魚)狙いの常連さんにあいさつ。聞くと「今日は活性が低いけど、良いときは70匹超えもある」という。小柿渓谷は武庫川最上流の羽束川にあり、水質と足場も良く、釣れるアマゴは美形が多い。ビギナーやファミリーも楽しめる管理釣り場だ。

 午前8時半に堂本組合長と管理員さん推薦の集い橋下流左岸に放流してもらった。アマゴは気持ち良さそうに泳ぐ。針に生イクラを刺して振り込んだ。瀬脇に仕掛けをなじませると目印がクンッと震え、20センチのアマゴがタモに飛び込んだ。鮮やかな朱点をちりばめたきれいな魚体が出迎えてくれた。解禁まで待てない渓流釣りファンとしても、うれしさがこみ上げた。少しずつポイントを変えると10匹連続ゲット。しかも17~22センチの納得サイズだ。

 入れ食いが止まると食いしぶってきた。だが警戒心の強いアマゴとの知恵比べも渓流釣りの魅力の1つ。目印を上げて糸ふけを利用し、底流れをとらえて違和感なくアプローチする。フッと目印が止まって3匹追加。同パターンで攻めるが食い渋りはピーク。アマゴは石の影に逃げ隠れする。

 それならとブドウ虫をエサにしてアプローチ。すると食いが復活。虫エサはアタリがあれば一呼吸おいて合わせるとバラシにくい。川底の大石まわりを攻めて5匹を追加。思い通りの攻略ができると、さらに渓流釣りが楽しくなる。

 最後は居残り狙い。右岸の釣り場へ移動して大石まわりを探る。するとグイッと目印が引き込まれた。合わせると水中でキラッと魚体をくねらせる。タモに収めたのは野性的な姿のアマゴだった。午後0時半、この1匹との出合いに満足して釣り場を後にした。【日刊FPC・糸数恵士】

 【今後の見通し】アマゴは安定した釣果が期待できる。雨後は警戒心がとけ、数釣りができる。居残り狙いは月曜日がおすすめだ。

 【問い合わせ】小柿渓谷放流釣り場【電話】079・569・0693。営業時間は午前6時から午後5時。入漁料はエサ釣り、ルアー、フライともに大人3800円、女性・子供(小学生以下)は3000円、午後からの半日券は同3000円、同2500円。休業日は毎週火曜(ただし祝日は営業)。貸しザオ1500円(保証金500円含む)。仕掛け、エサ常備。無料駐車場あり。

 【交通】中国自動車道の西宮北ICを出て国道176号を北へ。三田市内の三輪交差点を右折、県道37号で約20分。電車はJR福知山線、または神戸電鉄で三田駅から神姫バス「小柿」行きで終点下車。徒歩約5分。