明日3日、豆、まきますか? そう節分、釣りのオニ退治に行こう! 年間を通じてオニカサゴを狙える千葉・外房の大原「力漁丸」(中井聡船長)と静岡・西伊豆の安良里「ふじなみ丸」(藤井伸一郎船長)を紹介しよう。浮きぶくろのない魚なので、150メートル以深から引き上げてきても、途中で大暴れする釣り味は、ほかの魚種では経験できない。千葉オニVS伊豆オニ-どっちにする?

 オニカサゴは、深場釣りの中でも入門編としては最適かもしれない。深さが200メートル以内で釣れる魚で、3~4号のPEラインを300メートル、電動リールに巻いておけばいい。オモリは150号なので、1・5メートルのショートロッドがあればオニカサゴを狙えてしまう。

 力漁丸では、毎週木曜を「オニカサゴの日」と決めている。年間を通してのオニカサゴ船は珍しいこともあって、常連客だけではなくビギナーも多くなってきた。最近では、別の曜日での出船要請もあり、仕立て船も増えてきたという。

 中井船長は「釣りの引き味と、食べておいしいのが人気の理由ですね。普通の中型電動リールを転用できるのもお手軽感があるようですね」と解説する。

 サバの切り身を縫い刺しにして、ハリス分を巻いて待つ。タコボウズ記者も1キロ超を最後の最後で釣り上げることができた。この日船中で11匹を釣り上げてサオ頭だった小野寿志さんは、釣るコツについて「慌てない」ことをあげた。サオ先が振動してアタリがきても1~3分待つ。

 小野さん ヒットすると、オニカサゴが暴れるので、ほかの食いついていないハリが揺れてちょうどいい誘いになる。慌てない。辛抱強く待つことで、簡単に多点掛けはできますよ。

 オニ退治の基本は「慌てず騒がすジッと待つ」だ。

 「ふじなみ丸」でも年間でオニカサゴを対象魚としている。真沖から松崎沖まで水深120~170メートルを攻めていく。藤井船長は「3人集めてもらえば、いつでも出船するよ。小さいオニカサゴも多いけど、その中に1キロ超も交じるからねぇ」と話す。

 西伊豆の海は、奇岩が多く、豪快な風景を前に気持ちよく釣りができるというのもアピールポイントになりそうだ。釣れる魚もオニカサゴ以外にウッカリカサゴ、ユメカサゴ、ヒラメ、メバルなど多種多彩。

 今回の取材で初めてオニカサゴに挑戦した釣り担当の桜井偉明記者は1・5キロを含めて3匹。「タナ(魚を狙う層)を固定することが大事なのがよくわかった。最後はあえて置きザオにして、船の揺れがいい誘いになったようで、2匹一荷で釣れました」と大喜び。

 マルキユーのインストラクター佐須智明さんも1・3キロを釣り上げ「ここはオニが濃いですね。まだまだ、開拓の余地がありそう」と、釣り場としての今後の展開に期待していた。

 ▼船 大原「力漁丸」【電話】0470・62・0575。午前4時集合。エサ、氷付きで1万2500円。安良里「ふじなみ丸」【電話】0558・56・0371。午前6時出船。エサ、氷付きで1万3000円。