乗っ込みチヌのハシリが見え始めた和歌山田辺・磯間の磯へ2月26日、釣行した。早朝から同所の「黒田渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の船で田辺湾の「トナカ」へ渡礁。夜明け早々からサオをひったくられるアタリで幕開けすると、朝まづめの時合にチヌの食いが集中し40~45センチの本命を3匹ゲット。下げ潮に入ってアタリが止まったが遠投で45センチを仕留め、乗っ込みシーズン到来を実感した。

 午前6時前、チヌの魚影が抜群に濃い「トナカ」へ渡礁。早朝の時間帯は込み潮で足元を波が洗うことから、一段高い東向きの船着きに入った。全体的に水深が浅く、いたるところに沈み根があり、潮通しも良いことから良型チヌの産卵場となっている。

 まずはサオ3本沖に10杯ほどまきエを入れ、ウキ下3ヒロにセットした仕掛けをまきエと同調させるように投入。さらにウキの頭にまきエ5杯を追い打ちし、右方向へ流れる下り潮に仕掛けを送り込んだ2投目、人さし指で押さえていた道糸が突然、バチバチッと音を響かせてはじかれた。

 まだ太陽が昇りきらない夜明けの一撃だったが、ガッチリ合わせる。ガンガンと頭を振る強烈な引きをあしらって水面に浮かせたのは45センチの抱卵した良型だ。

 さらに、日がさしてようやくウキのトップが見え始めた同7時前、下り潮に乗せて流すウキが約20メートル沖の沈み根にさしかかったところでスパッと勢い良く海中へ。サオを突き上げて合わせるとガツーンとした手応え。ゴンゴンと乱暴な引きで抵抗する締め込みをかわし、タモに収めたのは43センチ。

 それから数投目にはまたしてもサオ先をひったくられるアタリで40センチを追加。下げ潮に変わる同8時すぎまでに本命の乗っ込みチヌを3匹食わせた。

 しかし潮が下げに入るとチヌの食いが一変。それまでの食いがウソのようにアタリが止まり、刺しエのオキアミも残る時間帯が多くなる。そこで上り潮に変わった同11時すぎに地方向き30~40メートル沖の沈み根周りを攻めてみたところ、この狙いが的中し45センチを追加。その後、年無しのバラしもあったが、まきエがなくなった午後2時すぎに納竿とした。【日刊FPC・兵頭良弘】

 【問い合わせ】黒田渡船【電話】0739・25・1303。渡船料は沖磯4000円、湾内3500円。出船は平日が午前5時半(土曜、日曜、祝日は同4時半)、納竿は午後4時。

 【交通】大阪からは阪和自動車道の南紀田辺ICを出て、稲成ランプの信号を右折。稲成町の信号を右折して国道42号を西へ。明洋の交差点を左折して県道210号を東へ。橋を越えてすぐの新会津橋東詰の信号を右折。突き当たりを左折し磯間港へ。

 【今後の見通し】乗っ込みチヌはこれからさらに本格化し、沖磯、湾内磯に限らずどの磯からも45~55センチの良型チヌが高確率で狙える。また、水温次第で35~45センチクラスの寒グレもまだまだ期待が持てるので、細仕掛けは禁物だ。

 【エサ】まきエ=生のオキアミ6キロに「爆寄せチヌ」「チヌパワー遠投G」「ニュー活さなぎミンチ激荒」を各1袋ずつ混ぜ合わせたものを使用。刺しエ=「くわせオキアミスーパーハードL」と「ガツガツコーン」を用意した。