春ヒメ好釣! 山梨・西湖のヒメマス釣りが20日解禁した。1年半前にチャレンジして釣果ゼロと撃沈したプロレスラーNORI(35)が、今回リベンジ戦に挑んで、なんと4匹掛けに成功した。抱卵ワカサギも絶好釣で、春の西湖はビギナーでも楽しいぞ!  午前9時すぎ、NORIの握るサオの先端が「ブルルン」と激しく上下動した。一瞬身構えて固まった。「これはどうしたらいいんですか?」。190センチ、125キロの巨体。対処方法が分からずにうろたえた。

 タコボウズ記者が「静かにリールを2巻き」とアドバイスを飛ばすと、背中を丸めて、水深カウンター付きのリールのハンドルをグルン、グルン。さらにサオ先が「ブルン、ブルルン」。その衝撃波にNORIは背筋を伸ばして目を見開いた。「一体、どうなっているんですか? パワーアップしてますよ」と湖上で絶叫した。

 いちいち、リアクションが大きい。ヒットしたタナ(魚の泳層)は湖面から26メートル。おそらく最初に10本バリ仕掛けの上部に掛かった。少し巻き取ることで、仕掛け下部にもヒメマスが掛かったものと思われた。NORIに巻き上げを指示すると、なんと17センチを筆頭に4匹が掛かっていた。

 リベンジ成功だ。

 2014年11月。NORIは西湖を訪れている。西湖はヒメマス&ワカサギ釣りが春と秋に解禁される。このときには“秋ヒメ”を狙いにいったのだ。しかし、水温の急激な低下もあって、釣果ゼロだった。その悔しい思いを今回ぶつけ、見事に晴らした。

 NORI 気分は最高です。相手はヒメなのに、ものスゴい破壊力でした。まだ腕に巻き上げたときの余韻が残っている。この釣りは楽しい。それと、西湖の美しい景色。この中で釣りができる幸せをかみしめました。素晴らしい。

 いちいち表現が大きくなる。ただ、ボウズ(釣果ゼロ)の屈辱から1年4カ月かけて脱却できた喜びは、タコボウズ記者にも伝わってきた。

 サオはNORIとタコボウズ記者で計4本出して、どれも違うタナでセットした。エサはイクラ。午前8時前にタコボウズ記者が19センチをゲットした。これがちょうど湖面から26メートル。その後、すべてのサオのタナを26メートルに合わせて待った。

 一気に4匹を釣ったNORIは、直後に1匹を追加して「大満足です。今回は、これで帰りましょう。また、春のうちに挑戦します。この感触は忘れないぜ」とそそくさとボートを係留していたロープを解いて、岸に戻った。

 この日は樹海荘前の水深30メートルでサオを出していたワカサギ狙いの釣り人が昼までに200匹。大漁だ。しかも子持ち確率が高い。ワカサギも絶好機に入っているようだ。

 景観を楽しみ、釣り味を満喫する。NORI、オススメの西湖、いかがでしょうか?【寺沢卓】

 ◆NORI(ノリ)1980年(昭55)10月3日、東京都生まれ。中学時代は競泳で日本代表を目指すも、ヒザのケガで断念。堀越高時代は陸上競技の投てき選手として活躍。2004年12月、パンクラスにメガトン級が新設され入団。現在はフリーでプロレスもできる幅の広いファイター。日刊スポーツ紙面では、東京ディズニーリゾートのリポートも担当する。

 ▼宿 西湖「樹海荘」【電話】0555・82・2387。入漁料は1500円(女性・中学生は750円)。ボートは2500円~。出舟時間は3月は午前6時、4月から同5時、エサはイクラ500円、ワカサギ用の紅サシ100円、10本バリ仕掛けは350円。

 ▼富士西湖温泉「いずみの湯」【電話】0555・82・2641。露天は天然温泉。サウナ風呂完備。休憩所では食事もできる。中学生以上が900円、小学生500円、幼児400円。平日・日曜は午前10時~午後9時、土曜・祝前日は終了が午後10時。NORIは「いつまでも入っていたい。気持ちいいッス」。