現在、絶賛開催中の駿河湾マダイダービーに、芸能界の「釣りアニキ」こと俳優哀川翔(54)が挑んだ。国内でも超ド級のマダイがうようよしている海域だ。「いつかは御前崎、そう思っていた」と語るアニキのサオがいきなりしなった! 3匹の合計重量で争うダービーにどこまで食い込むのか!

 これが御前崎なのか。どこまでも海。オカ(陸地)では風はまったくなかったけど、港から離れていくごとにほっぺたに当たる風圧が強くなっていく。こう、こなくちゃ。元気のいいマダイが遊んでくれそうだな。

 乗り込んだ船は博栄丸。3月から日刊スポーツの仲間に加わった。釣り座も広いし、シートの下にくみ上げた海水を循環させ、釣った魚を生きたまま港まで持ち帰れる。うれしいね。釣り人の気持ちの分かる船宿は気持ちいいぜ。

 釣り場までは1時間。時間制の釣り解禁を設けていて、今の時期は午前6時30分がスタートになる。ここらの海域は目には見えないが、線が引いてある。禁漁区があるんだ。いいね、いいよ。釣りは魚をとっていくだけじゃない。魚を育てることだって必要だ。だから、御前崎にはでっけぇ魚が泳いでるんだろう。

 ふふ、燃えてきたぜ。

 長いなぁ、長い。ハリスが15メートルある。

 マダイは警戒心が強い魚だ。突然、コマセカゴが落ちてきて海底にドスン! ヤツらはこれで危険を察知して逃げてしまう。だから、マダイの場合、海面からタナ(魚の泳層)を指示する。例えば、船長が「45メートル」と指示すれば、リールから出る道糸の長さが45メートルということになる。

 ただ、ここが大事なんだ。電動リールとかで表示がでるが、そんなのはアテにしちゃいけない。道糸は、10メートルごとに色がかわって、1メートルごとに印がついている。そこを注視するんだ。電動リールの表示は狂うときがあるからな。

 それにしてもハリスだ。東京湾だと8メートル、西伊豆で10メートル。大沢洋輔船長が水のペットボトルを渡してくれた。何だ? 「これにハリスを巻いてください。最初はオレンジ色の市販のリングを使っていたんだけど、海に落とされちゃうんで、ペットボトルにしたら、持ちやすいこともあって、なかなかいいんですよ」とのこと。実際、使ってみると15メートルの長さを苦にしない。いい発見だな。

 さあ、マダイだよ、マダイ。もう、入れたとたんにサオ先がブルンブルンだ。これ、濃いな。魚群探知機にも赤い影でいっぱいだという。

 1投目で、ギューン。えっ、えっ、もうきたのか? サオ掛けから外して握って、あおった。ガチン。強烈な引きだ。慌てずゆっくり。電動リールを超スローにした。サオ先がギュンギュンはねる。久料「魚磯丸」の船長がつくってくれた特製ザオ、やっぱりいいね。長い道糸を手繰ると、見えてきた。白くて…赤い。マダイだ。

 2・15キロ。いいマダイだ。その後、隣のハヤマ先生も初めてのマダイ釣りで、2・8キロをあげて、愛知から来た磯村くんも3・1キロをとった。船中で9人でサオ出して7人で20匹釣れた。

 オレは、たい焼きサイズを含めて4匹。マダイダービーにも2・2キロ、2・15キロ、0・95キロ、合計で5・3キロだ。ダービーでは32位か。御前崎、面白い海だった。また、来るぞ。待ってろよ、大ダイ。【構成・寺沢卓】

 ▼宿 御前崎「博栄丸」【電話】0548・63・3337。マダイの乗り合いは、午前5時集合で氷付きで1万1000円~。女性は1000円引き。5~9月の集合時間は午前4時30分。要予約。