じとじとした梅雨。ヘラの狙いもじとじと? 今月26日に「日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」ヘラブナ部門の山梨・西湖予選が「樹海荘」で実施される。空模様と同じようにヘラの居場所も不安定なのだ。「釣れない」。そんなときにどこから手をつければいいのか。発生した問題は、ひとつ、ひとつ丁寧に解決しましょうか!

 西湖は、取材日の2日前に大雨だった。アンテナ下の関川康夫師範代、大関実コーチ、門下生の小沢誠史さんと服部紫野さんの4人が並んで入った。つるんとした鏡のような湖面。風はない。ただ、魚が湖面から飛び出してはねる「モジリ」も皆無だった。

 大関コーチ こりゃ、マズイなぁ。魚が動いていない。ちょっと頭を使わないとボウズ(釣果ゼロ)を食らうかもなぁ。

 アンテナ下は、前日に30匹以上の釣果情報の入ったポイントだ。

 関川師範代 梅雨の時期は難しいんだよ。まず、前日の良かった場所に入る。そこから考えよう。

 最初はサオ18尺(約5・4メートル)で、ハリスは50センチと65センチからスタートした。ところが、反応がほぼゼロ。前日に実績のあった場所なので、群れは離れていないはず。では、どこにいってしまったのか?

 ヘラはおそらくどこにもいっていない。

 関川師範代 ヘラの密度の濃い、薄いはあるけど、居付きのヘラがいなくなるなんてこたぁ、ない。じゃ、どうするか。(1)サオの長さ(2)ハリスの長さ、この2点について変えてみる。タナ(魚の泳層)が違ってしまっているんだろうね。

 サオを24尺(約7・2メートル)に変えた。小沢さんのウキがブルン、ブルンと動いた。どうやらヘラのタナまで届いたようだ。ただ、ハリ掛かりしない。

 そこで、ハリスを65センチと80センチに長くしてみた。

 大関コーチ ハリスを長くすることで、エサの付いたハリがゆっくりと時間差をつけて落ちていく。その時間のギャップの分だけ、ヘラに食わすチャンスが出てくる。

 ここからヘラが動いてきた。大関コーチはおなかがプックリふくれた大型を釣り上げた。小沢さんも連発した。服部さんも良型をゲットできた。

 関川師範代 エサを多く打つから釣れるわけではない。ヘラのいる場所を探ることが大事。梅雨時期は特にタナを見つけることが、重要になってきますね。【構成&写真・寺沢卓】

 ▼宿 西湖「樹海荘」【電話】0555・82・2387。26日は、午前4時集合、同5時スタート、帰着・検量は当日発表。参加費1000円。ボートは2500円~、入漁料600円。

 ▼予選・決勝 予選上位5人が10月15日(土)の精進湖「湖畔荘」での決勝に進出。残りの予選は、7月18日(祝・月)千葉・三島湖「ともえ」、9月8日(木)埼玉・円良田湖「管理事務所」、同22日(祝・木)山梨・精進湖「湖畔荘」