日刊スポーツ、日刊銀鱗倶楽部主催「2016 月桂冠杯・和歌山有田川アユ釣り大会」が24日、午前7時前から和歌山・有田川の白石の瀬などで行われ、58人が参加して釣ったアユの総匹数(オトリ2匹を含む)を競った。小型が多く、追いがいまひとつと厳しい状況下、瀬を攻めて21匹を釣り上げた直井将人さん(40=海南市)が初優勝を果たした。また、最長寸のアユを釣った人に贈られる「月桂冠賞」は、21センチを仕留めた森本浩充さん(51=和歌山市)が受賞した。

 まだセミの声も聞こえない午前5時半から、白石の瀬の近くに設けられた大会本部で受付を開始。同6時半から開会式を行い、その後、オトリ2匹を受け取って同7時前、参加者58人が思い思いの場所に入って競技がスタートした。

 この日設定された競技エリアは、平野橋(つり橋)からマワリまでの約2・5キロ。水況は平水だが、水温は競技開始の段階で25度と高め。良型アユは水温が低めの深みに身を潜めていることも考えられ、匹数を求めて浅瀬にいる小型を狙うか、深みにいる良型をターゲットにするか。それとも両方を視野に攻めるか。各参加者の戦略にも違いが出た。

 今年の有田川は、天然アユの遡上(そじょう)が遅れ、成育もやや遅れ気味。そのため小型が多く、サイズのばらつきが大きい。追いも全体的にいまひとつだったが、オトリを送り出すとまもなく掛ける人もおり、各釣り場でポツポツと釣れ始めた。

 魚は見えているのに追わないことに悩む人や、良型狙いで激流を攻め、根掛かりでオトリごと失ってしまった人もいる中、尾原利昭さん(65=池田市)はトロ場から瀬まであちこちを釣り歩き12匹を仕留めた。トロ場の岩盤では、目印を飛ばすアタリで20・6センチを掛けた。「岩のヘチを思い切って攻めたら良型が掛かった」という。

 深みに立ち込む人や瀬を集中的に狙う人など、競技終了の同11時半まで、それぞれが最後までベストを尽くしてアユを追わせた。

 厳しい状況下でも、15匹以上釣った人が9人出るなど釣果もまずまず。追いも今後上向いていくことが予想され、8月半ば以降は数釣りも期待できそうだ。【高垣誠】

 <主催>日刊スポーツ・日刊銀鱗倶楽部<特別協賛>月桂冠株式会社<協賛>がまかつ、シマノ、グローブライド、マルキユー、オーナーばり、東レインターナショナル、ボナンザ、ハヤブサ、ユニチカ、ミヤマエ、ダン、サンライン、ゴーセン、ヤマワ産業、ジールオプティクス、ルミカ、ハピソン、有田川町、有田川町観光協会<協力>有田川漁業協同組合