自然の中で涼しい風を浴びながらじっくりと釣りがしたいと思い5日、奈良県山添村と奈良市にまたがる、関西を代表する人気釣り場「布目ダム」へ釣行した。18尺2本のタナを両ダンゴで狙ったが、暑さのせいか魚の反応がいまひとつ。セット釣りに変更し、午前9時から午後6時までに37~40・5センチを18匹。野釣りならではの引きの強さと気持ちのいいロケーションを満喫した。

 午前8時半、布目ダムに到着。各ポイントを見回り、魚影やモジリを確認できた中流域にある通称“焼却場スロープ”に入った。18尺を継ぎ、2本のタナの両ダンゴ宙釣りで開始。普段からエサを打たれているポイントだが、やはり野釣り場。ヘラを寄せるまでには時間がかかる。ひたすらエサ打ちを繰り返す。

 エサボウル2杯目を打ち出すころ、沈んでいくウキが途中で止まり、ズバッと水中に消える。合わせるとサオの胴まで引き込む力強い引き。両手でしっかりと止め、ゆっくりと寄せてくると、肩の張った肉厚のヘラが顔を見せた。いきなり40・5センチの大型だ。

 だが、その後は思った以上にウキが動かない。エサ打ちにも変化をつけるが、時折、弱いヘラらしい動きはあるものの単発で、決めアタリにならない。開始から2時間半、活性が低いと判断し、タナ、サオは同じでセット釣りに変更する。

 すると2投目、バラケが付いている時にサワリがあり、抜けた直後にズバッ。深場に引き込む強烈な引き。38センチの大型だ。その後もアタリが続き、数枚釣ると反応がなくなり、回遊時にまた数匹釣れるといったパターン。ハリスは50センチだが、反応がないからと長くすれば回遊時に無駄な動きが出てスレやカラになる。型にはめるのではなく、回遊時に釣り込むという割り切りが大事だ。もちろん、動きはあるが食わない場合はくわせエサをローテーションしたり、バラケを角ばらせたりと変化で反応させていく。

 午後5時すぎ、急にアタリが増え、ウキの後ろでヘラが見え出した。夕方の時合に突入したようだ。バラケがタナに入る前に抜けたり、スレやカラツンが多発。ヘラの数が増えたとみて、ハリスを30センチに縮め、タナも上がったはずとメーターにするとペースが上がり、最後に釣り込むことが出来た。37~40・5センチを18匹。納得いく釣果だ。野釣りならではの力強いヘラの引きを存分に楽しんだ。【日刊FPC・土屋直人】

 【エサ】バラケ=「Sレッド」3対水1の割合でまぜたあと、ボソ感を出すため「Sレッド」1を加え、熊手で40回ほどかきまぜて完成。クワセ=「力玉大粒」、「力玉ハード2」。

 【今後の見通し】どのポイントも例年なら、涼しくなるにつれ釣果は上向きになるだろう。9~10月が数、型共に期待できる。また、まとまった雨が降ればこのタイミングでも釣果が良くなる。活性が高い時合は両ダンゴ、活性が下がればセット釣りになる。タナは2本前後を基本に探る。アタリがなければ深く、ニゴイなどの他魚が釣れれば浅くしていく。サオは朝夕の活性が高い時は12尺前後で釣れ、警戒すれば長くしていく。基本18尺前後が標準で実績が高い。

 【問い合わせ】布目川漁業協同組合【電話】0743・86・0006(窪田泰治氏)。コイ、フナの遊漁券は年券5000円、日券1000円。現場売りは500円アップ。

 【交通】名阪国道の小倉ICを出て県道127号を北上。県道80号に出たら左折し、布目ダムへ。