東京湾に浮かぶ沖の堤防「野島堤」で遊んでみませんか? 「ビギナーにはハードル高そう」との感想が多いという。そこで、野島初体験の3人に午前9時から3時間だけ乗ってもらった。ちょい投げでシロギスやメゴチ、堤防の際でメジナが釣れました。陸に戻ってから、釣れた魚を中心にバーベキューで盛り上がりました。

 今回のメンバーは、渓流や管理釣り場でのトラウト経験のある声優でプロレスラー清水愛。そしてタコボウズ記者の高校時代の同級生2人、関西に単身赴任で盆休みで帰京していた手塚宏さんと、藤沢市在住で堤防でのクロダイ釣りが大好きで「いつかは野島」と思っていた曽根啓司さん。

 まず、渡船「村本海事」(関口真一代表)の前の野島運河でサオを出した。ハゼの捕獲だ。1時間ほどで大小さまざまなハゼを釣り上げた。マゴチを誘うための生きエサとして持っていく。渡船は特別に午前9時過ぎに出してもらい、正午までのショートフィッシングを敢行した。

 結論からいうと、マゴチは機嫌がよろしくなかったのか、釣れず。関口代表は「今年は50センチ超がよく釣れた。ジグヘッドにワームを装着するタイプでも釣れますね」と話してくれた。

 メインのマゴチが釣れなくても楽しいんですよぉ~。

 曽根さんはヘチを釣り歩いて、エサを落とし込んでクロダイを誘ったが、釣れず。同じドック先に乗っていた常連のベテランから「今の時間はクロダイは難しい。ただ、アオサをつけておけばメジナはいけるよ」とのありがたいアドバイスをいただいた。アオサとは、今の時期にヘチに付着する海苔(のり)の一種だ。曽根さんは、アオサをちぎってハリに掛けた。数分後、答えが出た。「もう、すぐ当たって、メジナが掛かる。その場所の魚の食性は大事な情報だね」と曽根さんはホクホク顔だ。

 初めての沖堤防の愛ちゃんも「船の揺れは得意じゃない。でも、野島なら揺れないから安心です。それと仕掛けをビュン、って投げてるのが楽しい。海もきれいだし、ストレスも吹き飛びますねぇ」と、しっかりシロギスのプルルンも体験できてニコニコだった。

 わずか3時間の釣りだったが、メジナ、シロギス、メゴチ、カサゴが釣れて、店に戻ってバーベキューランチに突入した。手塚さんは「釣りたての魚をすぐ食べる。新鮮でうまい。これはぜいたくだねぇ」とゴキゲンだった。メジナのレシピは別掲しておきまーす。

 ビギナーでも安心ですが、ライフジャケットは必着で楽しく沖堤防釣りしましょー!【寺沢卓】

 ◆野島堤防 金沢八景の沖にある人工堤防。北を上にすると「L」字型になっている。ところどころ、低くなっている場所があり、北から南に向かって「ドック」(長さ35メートル)「ドック先」(同100メートル)そして西から東に折れて「青灯」(同470メートル)「ハナレ」(同90メートル)「新堤」(同164メートル)「馬の背」(同200メートル)「赤灯」(同10メートル)の7つのポイントからなる総延長1キロ以上ある沖堤防だ。

 東京湾でも有数の上質な釣り場で、投げ釣りでシロギスやカレイ、メゴチ、マゴチ、ヒラメ、根回りではカサゴ、メバル、堤防のヘチ(壁際)ならばクロダイ、メジナ、回遊魚でもアジ、サバ、イナダ&ワラサ、9月になれば餌木でアオリイカやスミイカもターゲットになる。

 水深も3~8メートルなので、飛距離を稼げないビギナーでも、ちょい投げでいろいろな魚のアタリを楽しむことができてしまう。陸続きではないので、唯一、野島堤防に船をつけられる村本海事から出発しよう。

 ◆焼きメジナのトマト風味 メジナはウロコと頭部を落として背開きにして、塩・コショウで下味をつける。鉄板に油を敷いて、皮目から焼く。メジナの周囲にシメジ、スライスした玉ネギなど野菜を広げる。皮面が焼けたら、ひっくり返して、ごま油(オリーブオイルならなお良し)をグルンと掛けて香りをつける。瓶詰めの「トマト&バジル」ソースを好きなだけ上から掛ける。小さな穴を開けたアルミホイルで全体にふたをして蒸し焼きにする。穴から蒸気が柱のように立ったらできあがり。

 ▼渡船 野島「村本海事」【電話】045・781・8736。4~9月の渡船時間は、朝便は午前7時発、昼便は正午発、午後便は午後3時45分発、夕まずめ便は日没沖あがり、半夜便は同8時30分。料金(午前7時~日没)は大人(高校生以上)が4000円、女性と中学生は2000円、ファミリー(同居家族4人まで)6000円。半日は大人2500円(女性&中学生は1000円)、夕まずめのみ(午後3時45分~日没)2000円、半夜は3000円、半夜の延長はプラス1000円。小学生以下は無料。詳細は要確認。