近年になく、紀伊水道・波浪ブイで本ガツオが釣れまくっている。２日、御坊市の「千代丸」（日刊銀鱗倶楽部加盟店）の乗合船で取材した。早朝から本ガツオは活発な食いをみせ、脂の乗った良、大型が次々ヒット。午前１０時すぎまで、釣り人たちは横走りする強烈な引きを楽しんでいた。サオ頭は野原和義さん（尼崎市）で、５７～６４センチを９匹に、５０センチのスマガツオ１匹もゲット。カツオの回遊期間は短いので、釣行はお早めに！

　本ガツオの豪快な引きと、ほれぼれする魚体に大満足！　午前５時すぎ、紀伊水道の波浪ブイに到着。水深約２００メートル、上り潮が緩く流れる。近年になく本ガツオの大群が回遊しているとあって、すでに１０隻ほど遊漁船の姿があり、日の出前には４０隻ほどに膨れ上がる盛況ぶり。そんな中、ポイントが決まると細谷船長から「水深２０メートル。ドラグはきつく絞めてアタリが出たら全開巻きで引きあげて。アタリは小さいから注意」と指示が飛ぶ。そして波浪ブイを中心に西から東へ約３００メートルの流し釣りを開始。

　同６時すぎ、２度目の流しで左舷後方の阪東郁雄さん（紀の川市）のサオにコツンと反応。釣りあげたのはプリプリの良型本ガツオ。これを皮切りに船中は入れ食いモードに。１０年ぶりのカツオ釣りというへ先の西尾努さん（箕面市）が、強烈な引きに耐え、脂の乗った６０センチ超を仕留め「ごっついのが釣れた。この１匹が釣りたかったんだ」と大喜び。

　右舷中央では「これだけ船がいるので釣れるか心配だった」という野原さんも良、大型を連発。左舷でも阪東さんが大型をゲットして「大満足のサイズやね」と納得顔だ。船中では休む間もなく本ガツオとの格闘が続き、船頭もタモ入れに前へ後ろへと大忙し。しかし時合は短く３０分ほどで終了。

　その後、ペースは落ちたが、ひと流しごとにポツリポツリとキハダマグロやスマガツオ交じりで釣れ続き同１０時すぎに納竿。同乗者は本ガツオの強烈な引きとサイズに大満足。満席で取材に徹した記者も、その釣れっぷりを目の当たりにして「釣ってみたかった」とうらやましく思った。回遊期間は短いので本ガツオを釣るなら今しかないですよ！【中村和嗣】

　【今後の見通し】カツオの群れは大きく、脂の乗ったものが多いが、いつまで釣れ続くかわからない。すぐに釣行してほしい。

　【問い合わせ】千代丸【電話】０７３８・２３・１６２１。乗合船料金は１万２０００円（仕掛け、エサ、氷付き）。無料仮眠所あり。出船は午前４時ごろ。

　本ガツオ釣りは、木下丸【電話】同・４２・０３１３もある。

　【交通】湯浅御坊道路の御坊ＩＣを出て右折し、野口新橋を渡って左折。日高川沿いに河口へ向けて２キロほど走り、天田橋北詰を右折。国道４２号に入り、２つ目の信号を左折。道なりに５００メートルほど進むと、同乗合船の乗船場がある美浜新港。

　◆ワンポイントアドバイス　バラシ対策としてラインはＰＥ６号以上、３ミリ５０センチほどのクッションゴムが必要。