さあ、始まりましたよ、カ・ワ・ハ・ギ! 「2016日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」カワハギ部門の金谷&保田の合同大会が来週10日(月・祝)に実施されまーす。そこで「カワハギスナイパー」の異名をとる“ホーリー”こと堀江晴夫さんに「どうやってあわせるのか、さっぱり分からない」というマキちゃんの何がいけないのか、診断してもらいました。大事なのは「準備」と「慌てないこと」です。

 マキちゃんはこういう。

 「釣りを始めて5年ぐらいです。仕掛けを投入して、どうやったら魚がエサを食べてくれるんだろう、って、考えて、考えて、考えるんです。それでプルルン、ってサオを持っている手にアタリが伝わってくると、キャー、って、なっちゃう。その一瞬を味わいたくて、釣りにどっぷりハマってます」

 ただ、最近、悩んでいることがある。

 「私、カワハギ釣りが大好きなんです。いろんな人が、いろんなことを教えてくれる。逃げられないように大きくあわせろ、とか、誘いはあんまりしなくていい、とか。でも、全然しっくりこない。何が本当なのか、知りたいんです」

 悩める子羊(?)に引き合わせたのがホーリーだ。そのときの海の状況に合わせて、もっとも適したカワハギの釣り方を即座に選択できる名手だ。千葉・金谷「光進丸」から出漁した。

 ホーリー 釣果が伸びないパターンはあります。最初の5分、マキちゃんの釣り方を見ました。残念ですが、今のままでは、偶然釣れちゃったカワハギにしか会うことができませんね。

 えっ、それは大変だ!

 では、マキちゃんには何が足りないのか? ホーリーは「準備」と「慌てないこと」の2つをあげた。

 まず「準備」だ。

 ホーリー (1)エサのアサリをハリに付ける(2)仕掛けを投入する(3)仕掛けを回収する(4)サオを置く。ざっくり、この4つが基本動作になる。マキちゃんは、全部がバラバラ。釣りをする以前の改善点になる。

 (1)は、ここにまず時間をかける。エサ付けは速さではなく確実に。水管に編みこむようにハリを2度通し、ベロと呼ばれる平たい部分に抜き刺してしっかり固定。最後に黒いキモで押さえる。(2)仕掛けが着底したら、サオ先をユラユラと動かして、サオ先を少し上げる。カワハギがついてくるのは30センチぐらい。反応がなければ、もう1度着底させてユラユラ。(3)アタリがきても慌てずにゆっくり手をあげてサオのしなりでハリにしっかり掛けて、リールを巻いていく。オニアワセみたいに大きなアクションはバレちゃいますね。(4)仕掛けが手元に戻ってきたときに必ずオモリをつかんで、そのオモリを動かない場所に置く。サオも置き場所を一定にする。自分の右側なのか左側なのか。サオ尻が滑らないようにきつく絞った、ぬれタオルで受ける。

 ホーリー 準備さえ整えば大丈夫。あとは慌てずに。人間は同時に2つのことなんかできない。着実に1つずつクリアしていけばいい。絶対に釣れますよ。

 アドバイスを受けたマキちゃんは、序盤はアタフタして、仕掛け回収でオモリではなくハリスを持って、手に小さな刺し傷をつくったり、カワハギのプルルンに大きく合わせたり、失敗の連続だったが、2時間もするうちに動作が流れるようになっていった。

 「不思議ですね。所作というか、きれいな振る舞いができていると落ち着くんです。釣れる感じがしてきました」

 心が穏やかになると、見えてくるものが違うのか、何も釣れなかったマキちゃんだが、最後の1投で超小型だが、カワハギを見事に仕留めた。「キャー、ちゃんと釣れた。これは本当にうれしいです」とマキちゃんは、やや涙目だった。

 ホーリー そのときの海の状況もあるから、毎回対処法は違う。でも、自分のスタイルを「準備」できて「慌てないこと」も実践できていれば、カワハギは掛かってくれますよ。

 さあ、まだ10日のカワハギ大会、申し込みを受けつけてますよ。内房の海で待ってますね。【寺沢卓】

 ★募集 金谷「光進丸」と保田「村井丸」を中心としたカワハギ釣り大会を今年も開催します。まだ、大会未経験のアナタ、今年は出てみませんか? サオを出した全員に豪華参加賞があるんです。まず参加。楽しいですよ。港に戻ってからもじゃんけん大会もあって、楽しいカワハギフェスタで~す。

 ▼期日 10月10日(月・祝)

 ▼料金 9000円

 ▼出船 午前7時

 ▼沖上がり 午後1時

 ▼競技ルール ハリは3本まで。オモリは船で指定。下オモリの胴付き仕掛け限定。使用するサオは1本(予備ザオの複数持ち込みOK)。リール指定なし。

 ▼審査方法 総匹数。13センチ未満は対象外。各船の1位を決める。同じ匹数の場合は総重量→最大1匹の全長の順で審査する。

 ▼募集 100人

 ▼申し込み方法 郵便番号、住所、氏名(ふりがな付き)、電話番号、年齢を明記して、光進丸のファクス0439・69・2697(電話兼用)。