「2016日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」南房・外房地区のマダイ大会が2日、行われた。小湊「鯛丸」を本部に、吉浦「八平丸」と2地区で25人が参加した。鯛丸から出漁した小安智博さん(60=いすみ市)が1・8キロを釣って優勝した。準優勝は渡辺勇さん(78=荒川区)、3位には今年5月に101センチ、12・5キロのマダイを釣り上げた山本一夫さん(65=市原市)が入った。

 参加者のサオがしなり始めたのは、潮の動き始めた午前8時ごろからだった。優勝した小安さんは「アタリは3回だけ。1つがマダイで、もう1つがヒラマサ。あと1つは、すっぽ抜けちゃった」。初参戦で初優勝。釣り歴30年のベテランは1本バリで勝負をかけ続け、唯一仕留めたマダイで優勝をもぎ取った。

 天候には恵まれたが、この日は全体的に食いが渋かった。風もなく、波は穏やか。鯛丸の佐藤秀則船長(36)は「ベタナギだから行ってみないと分からなかった。悪いというほどの条件ではなかったけど…これからですね」。八平丸の鈴木篤幸船長(62)は「もう少し波が出て荒れたほうが良かったかな」と話した。

 準優勝の渡辺さんにアタリが来たのも午前8時から9時ごろ。「その時間に来たね。コンスタントに小さいのが6匹ぐらい釣れた」。最近は毎週、外房までマダイ釣りに出かけているといい、満を持しての今大会初参加となった。「慣れがあるからね。いつも浅い釣り場でやってるから。今日はイサキが来ちゃうから、あまりコマセをまきすぎないようにした。たまに落とし込みをしてみたり、タナは15メートルぐらいだった」と話した。外房のマダイに関しては「最近はいい思いをさせてもらっている。魅力のある釣り場」と笑顔を見せた。

 3位に入った山本さんも初参加となったが、実は5月に鯛丸でメーター超えとなる101センチ、12・5キロのマダイを釣り上げた実力者だ。佐藤船長も「95センチまではあるけど、なかなかメーター超えはなかった」と驚く超巨大マダイだった。山本さんは「あの時はお神酒を海に流して、その次の日に来たら当たっちゃったな」と笑顔で振り返る。

 この日も3回のアタリを2度外したが、残りの1回で勝負を決めた。「波はちょっとあったほうが良かったかな。今日は水面が鏡みたいだった」と静かすぎた海を嘆いたが、「自分はずっと2本バリでやっている。運だと思っているけど、タナは潮の動きを見ていろいろ考えている。それが一番当たると思う。1メートル上げたり下げたりするけど、それぐらいであまり動かさない」と厳しい中でも釣り上げるコツを教えてくれた。

 全体的に小ぶりな結果となったが、まだまだこれからよくなってくるという。外房・南房は景色も良く、ドライブがてら訪れるのもいい。生きのいいマダイに会いに、少し車を走らせてみてはどうだろうか。【松尾幸之介】

 ▼記録 (1)小安 1・8キロ(2)渡辺 1・03キロ(3)山本 1・23キロ(4)鯛丸・切替勝(袖ケ浦市)0・91キロ(5)八平丸・渋木直幸(入間市)0・79キロ(6)鯛丸・小関勝繁(茂原市)0・77キロ(7)鯛丸・増田勇(千葉市)0・72キロ(8)鯛丸・木内健雄(香取郡多古町)0・63キロ(9)八平丸・中村洸(君津市)0・61キロ(10)八平丸・酒井康雄(鴨川市)、白田忠臣(狭山市)ともに0・58キロ

 ※マダイ1匹の重量審査。記録は横取り方式を採用。1、2位は両船のトップの順位で3位以降は両船合わせた重量順。敬称略

 ▼賞 優勝した小安さんには優勝トロフィーと賞状、副賞として、がまかつ提供の軽量高感度ライトボートゲームロッド「ML-195」(3万6500円相当)が贈られた。