兵庫・武庫川尻の波止でハシリのタチウオが活発なエサ追いを見せている。9月27日、同所の「久保渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の船で午後3時すぎから一文字へ渡った。キビナゴ、サンマの切り身をエサに引き釣り、ウキ釣りの二刀流で挑戦。夕刻にウキ釣り仕掛けに80センチ級がヒット。引き釣りでもベルトサイズが連発し、納竿した午後9時までに65~85センチを9匹仕留めた。秋の深まりとともに数、型とも期待できそうだ。

 夕暮れから1時間が勝負だ! 午後3時すぎ全長約4・4キロの武庫川一文字へ渡った。早速、引き釣り仕掛けをセットしキビナゴをエサにキャスト。タチウオが入って来るのを待ちながらリーリングを繰り返す。

 すると、まだ太陽の日差しが残る午後5時前、私の左隣で同じく引き釣りでタチウオを狙っていた田中哲さん(寝屋川市)が強烈なアタリをとらえ80センチ級の本命をゲット。「底付近を引きずっていたら波止際で来ました」とニンマリ。さらに田中さんはこの後も90センチ級を2連発。聞くとイワシのエサに好反応を示したようだ。

 そして西の空があかね色に染まり出すといよいよ時合到来。ウキ仕掛けにチェンジした1投目、波間に見え隠れしていた電気ウキの明かりがジワジワッと海中へ。少し道糸を張って魚がハリ掛かりしているのを確認し、ガッチリ合わせを入れるとズッシリとした重量感が手元に伝わって来た。やや強引にラインを巻き取り、ガツンガツンとタチウオの乱暴な引きを楽しみながら一気に水面から抜き上げたのは80センチ超の本命だ。

 すぐにエサを付け替えて仕掛けを投入したところ、ウキがモゾモゾッとするタチウオのアタリをとらえ70センチ級を追加した。「食いが立っている間に数を稼ごう」と手返しの早い引き釣りへ変えてみると、この作戦が的中。65~75センチをさらに4匹キャッチした。

 しかし午後7時を回るとタチウオの食いが失速。引き釣り、ウキ釣りともにアタリが一向に出なくなった。そのため、タナを一気に5ヒロと深くしたウキ仕掛けで底付近を探ってみた。すると、納竿した午後9時までに70センチ級を3匹ゲット。終わって見れば65~85センチを9匹クーラーに納め、最終の迎え船で帰港となった。【日刊FPC・兵頭良弘】

 【今後の見通し】今シーズンは海水温が高く、まだまだ小型が多いものの水温が20度近くまで下がると一文字、新波止(フェニックス)で80~90センチの良型にまじってメーター級も狙える。波止のタチウオ釣りはこれから本番を迎え12月末ごろまで楽しめるだろう。

 【問い合わせ】久保渡船【電話】06・6416・0807。渡船料は大人2200円、女性2000円、中学生1500円、小学生1100円。1番船午前5時。エサ、仕掛け常備。最終の迎え午後9時(季節で変動)。

 【交通】阪神電車の武庫川駅下車。国道43号の下をくぐり、南へ進むと左側に同渡船。渡船場まで送迎あり。車は大阪から国道43号で武庫川手前を左折、南下すると同渡船。