長野・諏訪湖でワカサギを対象魚とした「2016日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」ファミリー大会が9月25日、開催された。気持ちのいい秋晴れの下、ビギナーからベテランまで46人が参加してワカサギ釣りを楽しんだ。検量後は恒例のバーベキューも行い、参加者それぞれが交流を深めるなど大盛況となりました。

 諏訪湖に、ワカサギはいた。7月末にワカサギの大量死が発生。その後の諏訪湖漁協の調べで、現在の生存率は大量死前の約2割ほどという試算も出た。あれから約2カ月。数は減ったが、エサが増えたことで体長の大きな生きのいいワカサギが元気に泳いでいた。

 気温が30度近くまで上昇する晴天の中、参加者は好みに合わせてドーム船、エンジン船、手こぎ船にそれぞれ乗り込み、大きなワカサギの姿に一喜一憂した。諏訪湖レジャーセンターの藤森邦明課長(66)は「曇りや雨の日の方が食いがいい。もっと風が出て曇ってくれたらね」と照りつける日差しを眺めた。「ワカサギは水温が低いほうがいい。そして回遊魚だから粘り強く同じ場所でやることです」。

 その言葉どおり、この日は水温の低くなる水深の深い場所で多くの釣果が生まれた。水深3メートル強のドーム船付近に比べ、水深4~5メートルの場所で釣ったエンジン船や手こぎ船の参加者たちが次々とワカサギを釣り上げた。

 優勝した滝浪恭史さん(67=静岡県富士宮市)は大会前日に試釣を行い、深さのある場所に狙いを定めていた。「水深1~2メートルの差が勝敗を分けた。あとはエサを頻繁に変えること。これは基本です」。7本バリを使い、3匹、4匹と同時に釣り上げ、効率よく数を稼いだ。

 釣りのあとは恒例のバーベキューも行った。参加者はおいしい肉や野菜を味わいながら、互いの健闘をたたえあった。親戚らと参加した横瀬真己君(10=山梨県上野原市)は「おいしい。釣りも楽しかった」と大満足な様子だった。

 諏訪湖のワカサギはまだまだいける。参加者の笑顔がそれを物語っていた。【松尾幸之介】

 ▼問い合わせ 「諏訪湖レジャーセンター」【電話】0266・53・6540。ボートは手こぎ2人乗り、ドーム船、エンジン付き和舟もあり(小型船舶免許が必要)。観光釣りコースもあり料金等の詳細は要確認。

 ※一般客へのワカサギ釣り解禁は10月15日から。資源保護のため、同15日から翌年5月31日までの釣り時間は午前7時30分から午後3時まで。水、木曜日は休漁日とする(祝祭日の場合は前日が休み)。1人あたりの1日の釣果の上限は500グラム。