地元で念願の初優勝だ! 「2016日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」ヘラブナ部門決勝大会が15日、山梨・精進湖で実施された。関東5地区の予選を勝ち上がった25人と昨年覇者の計26人で日ごろの腕を競い、参加選手中、唯一地元山梨の雨宮光一さん(61=甲府市)が初優勝を果たした。

 集合時間の午前5時ぴったりに雨宮さんは姿を見せた。決勝戦。すでにほかの選手25人はそろっていた。特に気負うこともなく、飄々(ひょうひょう)と本部となった精進湖「湖畔荘」のドアをガラリと開けて入ってきた。

 「地元だからね。午前4時までぐっすり寝ていましたよ」と雨宮さんはカラカラと笑った。甲府市在住で、予選は西湖「樹海荘」だったが、精進湖でも「信和会」「富士精進湖クラブ」と2つのヘラブナの会に入っている。通い慣れた精進湖であることで、気持ちもどっしりと落ちついて見えた。

 今年は決勝地を千葉・三島湖「ともえ」から替えた。「前はずっと三島湖だったから、今回は近い。でもね、近い場所だからこそ、プレッシャーが強かった。落ち着いてなんかいなかった。本当に勝てて良かった」と、雨宮さんは安心そうな表情ををみせた。

 決勝は10月15日だった。翌16日には放流があった。「これもラッキーだった。放流ベラが回って釣れる場所があちこちでできるよりも、地ベラ勝負の方が勝算があるなぁ~、と感じていた」と雨宮さん。ポイントは店下の固定桟橋の脇のロープにボートをくくりつけた。いつもの場所だ。

 21尺(約6・3メートル)を振り込んだ。バラケは、「粒戦」「スイミー」「セットガン」をそれぞれ0・5に水1・2で混ぜる。しっとりと落ち着いたら「GTS」1・5をパラリといれてなじませて、最後は「スーパーダンゴ」で調整する。このバラケエサは、雨宮さんの精進湖用のブレンドだ。

 食わせエサは「グルテン」で小さくつくる。振り込みを一定にして、はしゃぐヘラを落ち着かせた。終始、アタリは途切れることなく、終わってみれば29匹を釣り上げ、総重量は14キロだった。

 来年の決勝会場は、現在ではまだ決まっていない。「来年はどこになるんですかね。優勝してシード権はもらいましたが、連覇なんてとんでもない。ただ、目指すのはいいでしょ」と雨宮さんは、少し遠慮気味に連続優勝を口にした。

 ◆賞 初優勝の雨宮さんには、賞状&クリスタルトロフィーのほか、副賞としてがまかつ提供の高級ヘラザオ「一彗 八尺」(3万7500円相当)、マルキユー提供のドライバッグ(7800円相当)など豪華賞品が贈られた。参加者全員にはずれなしの賞もあった。じゃんけんによる箱根吉池ホテルペア宿泊券は鵜沢賢一さんが獲得した。

 <主催>日刊スポーツ新聞社、日刊スポーツ新聞社指定・共栄会 <協賛>がまかつ、マルキユー、上諏訪温泉・ぬのはん他。