駿河湾でもなく、東京湾でもなく、千葉・外房でタチウオが釣れちゃう! 10月下旬から鴨川沖の水深100メートル前後で良型のタチウオの活性があがってきた。すでに一部のタチファンは通い始めており、新たなタチポイントとして今冬、注目されそうだ。そこで、6日、タコボウズ記者が出撃してみた。食い付きはとても素直。ビギナーにはちょうどいいターゲットに間違いなく、なるぞ!

 一瞬、耳を疑った。釣り速報欄を編集するスタッフから「タコさん、金生丸がタチウオをやるそうです」。ん? そりゃ、ないよ、だって金生丸は豊浜港、勝浦市の漁港でバリバリの外房ですよ。聞いたことがない!

 そう、タコボウズ記者が勉強不足で聞いたことがないだけのこと。この時期、鴨川沖で釣れまーす。ただ、まとまって群れが入るのは久しぶり。鴨川の観光関係者の中からは「数ある鴨川の名物にタチウオを新加入させてもいいカモねぇ~」との声も出ているとか。

 金生丸の数金一浩船長は「あれ、タコさん、外房のタチウオ、知らんかったですか。確かにマニアックかもね。釣り船でも7年ぶりですかね、タチウオ船を出すのは」と話す。7年ぶりなのか。東日本大震災の前ですな。いまや、タチウオは1年を通して釣ることができる大人気スターになっているので、外房エリアが新しいポイントとして加わるのは大歓迎ですねぇ~。

 そんなこんなで、金生丸で6日にタチウオの乗合船を出すということなので、急きょ、予定を崩して現地に行ってまいりました。

 結果論から言うと、とても「あり」です。

 ポイントはやはり鴨川沖。豊浜港から船を出すのが午前5時。まだまっ暗。でも、少しずつ黒い空が青くなって、船の進む方向に見える鴨川のビルが朱色にキラキラ輝いてくる。振り返ると水平線からまっ赤な太陽が顔を出している。日の出から3分以内であれば、丸い太陽をカメラに収めることができて、きれいな日の出をじっくり拝める。これは早朝の釣り船だからこその楽しみですねぇ~。

 さて、現場。すでに地元の船は出ていて金生丸も含めて釣り船は7艇。金生丸はタコボウズ記者を含めて4人。日曜ではあったけど、他船も満船だったのは1艇だけ。まだ「外房タチウオ」は知られていないみたい。しめしめ、楽しんでしまおうかな。

. 金生丸は、エサ釣り専門なので、ジギングはやっていない。どうやら他船もエサが主体のようだ。みると2本バリで、タコベイトやハリとハリスの結合部分に蛍光パイプなど「ゴージャス」な仕掛けが流行みたいだが、タコボウズはあえてシンプルで勝負した。

 ハリは中型の「2/0」。蛍光パイプはハリの動きがぎこちなくなるため、使わずにハリス直結にした。ハリスはやや細めで6号。オモリ80号は船内統一。サオはヒラメ釣り兼用の80号負荷で2・4メートル先調子。エサは船支給のサンマ切り身。とても簡単、仕掛けも船上でチャッチャと作れるので事前準備も簡単でいい。

 水深は113メートル。着底を確認したら、ゆっくりとサオをシャクる。その際にリールのハンドルも少しずつ回す。時計の針でいうと1回のシャクりで「5分」進める。タチウオにもサンマをじっくりと見させる。海底から8メートル上げたところで、サオがシャクれなくなった。タチウオのアタリだ。そのままリールを巻きながら、さらにサオを上に引きあげる。タチウオの場合、ハリにさえヒットすれば、ほぼガッチリと掛かってくれる。あとは巻き上げるだけで良い。なんと、船中1匹目、91センチ、幅は指4本分の立派なタチウオだった。

 ここからがドッタンバッタン。もうサオを握る時間がないぐらいに釣れ始まって、写真をパシャパシャ。型はそろってますねぇ~。60センチ前後の「脇差し」サイズはいなくて、だいたい85センチ超の「サーベル」サイズばかり。おなかもパンパンで、抱卵しているメスも多数。いい写真が撮れましたねぇ~。

 で、さて、釣りを始めようかなぁ、と思ったら、タチウオの群れがスーッ、と散ってしまった。海面から75メートルだったり、同100メートルだったり、はたまた、底でドンとオモリが落下した直後だったり、どうも落ちつかない。

 タチウオ自体はとても素直でエサが目の前にあれば食ってくるけど、後半は分散してしまう。その行動パターンをうまく把握できれば、大釣りもできますね。タコボウズ記者は5匹と大きな脂の乗ったサバ2匹。サオ頭は24匹、しかも前述のように大きいサイズばかり。まだまだ、研究するところはありそうですが、タチウオデビューをしたいなら、外房を目指してみようか!

 ▼宿 勝浦・豊浜港「金生(きんせい)丸」【電話】0470・73・3630。午前4時30分集合。エサのサンマ切り身と氷が付いて1万500円。出船スケジュールがあるため要予約。