日本で一番おいしいのは、東京湾のアジだ! そう、今年、東京湾では、大人気魚種のアジがサイズもよく、さらに数も稼いでいる。本当によく釣れる、本当にむちゃくちゃおいしい。

 東京湾でおいしいアジを食べるには、アジが安心して暮らせるエリアをつくらないといけない。日本テレビの人気番組「ザ!鉄腕!DASH!!」で、某所で「DASH海岸」をTOKIOと一緒につくっている木村尚(たかし)さん(60)にこう誘われた。

 「アマモを増やす活動をしてみませんか?」

 昨年も同じ誘い文句だった。そう、海中で森のように繁殖する海藻の一種アマモ。海中の小魚が身を隠し、スミイカやアオリイカも群生するアマモに卵を産み付ける。まさにアマモは、海の命の起源となっているのだ。

 このアマモの繁殖活動に八景「太田屋」は理解を示していて、スミイカやアジ釣りの出船前に八景や野島のアマモ場(アマモの群生する浅瀬)で種子をまくことに協力している。今回は木村さんが所属するNPO「海辺つくり研究会」が、アマモの種子1000粒を提供してくれた。

 貝殻の粉を原料とする環境に優しい紙粘土にアマモの種子を練り込んで、海に投入すると、種子が散らばることなく確実に海底まで落ちて、そのうち発芽して根付いていく。

 11月23日に太田屋のアジ午後船で実施し、釣り好きの格闘家NORIも手伝った。木村さんは「地道だけど大事。関西ではアマモのことを『アジモ』と呼んでいて、アジにとっては切っても切り離せない存在なんです」と力説した。