日刊スポーツ入社2年目の私、松尾幸之介が今回も横浜・金沢八景の「太田屋」で2度目のマダイ釣り教室に参加しました。今回のテーマは、前回の教室でも最重要項目と習った「タナ取り」。ポイントごとに変わるタナに四苦八苦しながらも、なんとかマダイをゲットすることができました。

 「タナ」とは魚の遊泳層のことで、水深に応じて魚の生態や行動が変わることから、釣りにおいてタナをつかむことは基本だ。この日は「底からタナを取る」やり方と「海面からタナを取る」やり方の2種類の方法を習った。

 2種類のタナ取りで共通することは、この日使用したPEラインの色を見て正確な水深を把握することだ。ここを間違えるといくら待ってもマダイは食い付いてこない。

 PEラインには10メートル、5メートル、1メートルごとにしるしとなる色がついており、これを見ながら計算してマダイのタナにエサを落とす。太田一也船長と講師となった常連の新井利行さん(53=横浜市)は「電動リールを使用した場合も、カウンターの数値に頼らずにタナをつかむことが上達への近道だ」と口をそろえた。

 この日1発目のアタリを見せたのはマダイ釣り初挑戦の松本一海君(11=神奈川県藤沢市)だった。乗船客の中で最年少ながら、開始1時間たたずに見事なマダイを釣り上げた。松本君は午前と午後に2度訪れて1匹ずつしっかりとマダイをゲット。竿頭の1人となった。「新井さんに教えてもらった通りにやったら釣れた。コツをつかんだら簡単です」と笑顔を見せた。

 新井さんによると、潮温によってマダイの動きも変化し、エサも潮の流れによって上下動するため、状況を見てタナを変えていかなければならないという。「釣りは推理です。海中でのエサの動きを想像しないといけない。船長の指示を聞いて、その上で自分のタナを探っていくことが釣果アップの鍵だ」と話した。

 常連の吉岡一則さん(61=横浜市)もマダイに加え、大きなカンパチも釣り上げた。「魚がまわってきた時にそこにエサが残っているかどうか。コマセのまき方も重要です」と話した。夫婦でコマセマダイ釣り初挑戦の井島和子さん(54=東京都大田区)もタナ取りに苦労しながらも終盤についにマダイをゲットした。「テンヤに比べて感触が分かりづらいから難しかった。釣れてうれしいけど、大変だった」と汗を拭った。この日はマダイを逃した同じく初挑戦の宮崎翔平さん(24=東京都港区)も「初心者で知識もなかったけど、丁寧にいろいろと教えてもらってわかりやすかった。次は釣れる気がするのでまた来たい」とリベンジに燃えていた。

 私も船長からのタナを守って待っていると、しっかりとマダイを釣ることができた。この日はカンパチやアジなど比較的温かい潮温で釣れる魚もあがったことから、まだまだこれからも釣果に期待はできそうだ。タナ取りに加え、コマセのまき方などマダイ釣りをする上で押さえるポイントはまだまだある。1歩1歩、前に進んでいきます。【松尾幸之介】

 ▼船 日刊スポーツ新聞社指定「太田屋」【電話】045・782・4657。マダイの乗合は午前7時20分出船でエサと氷付き1万500円。カップル、親子には割引あり。ほかライトタックル(LT)アジ釣りの午前&午後便とルアーの五目釣り船なども出船中。木曜日定休。

 ※1月も「太田屋」のマダイ釣り教室を実施します。午前6時半集合、同7時20分出船で料金は1万500円、女性・子供は7000円。詳しい日時などの問い合わせと申し込みは船宿へ。