ルアー・フィッシングに興味はありますか? 「エサじゃないと不安」だったり、「難しいアクションが必要」とか思っていませんか? 大丈夫です。もう、明日から始められますよ。川崎「つり幸」のシーバス船から手をつけてみましょう。同じ職場の美人ビギナー2人が、東京湾のジギングシーバスに挑んでみました。何を準備して、何を借りればいいのか。そこんとこまでアドバイスしちゃいます。

 8日、朝6時。船の上は白く薄い氷が張っている。「ツルツルして滑るから気ぃつけてねぇ~」と品川昌男船長が声を張り上げる。吐く息が白い。釣り人が移動するたび、ガチャガチャ、とメタルジグ(金属製のルアー)のぶつかり合う音がする。川崎「つり幸」のシーバス船は、今が面白い。

 こんな疑問を持つ人もいる。「エサをつけないで、魚は釣れるんスか?」。釣れます。何で釣れるか、それは魚じゃないので分かりませんが、誘い方やら狙うタナ(魚の泳層)やら、魚を振り向かせるのはエサとあまり変わりません。まず、実際にやってみましょう!

 船に乗る時に何を持っていればいいか。メタルジグというルアーは必要。重さは40、60、80号の3種を色別に3本ずつぐらいを購入してください。最初からいっぱい買わない方がいいですよ。もしかしたら、好きな釣りじゃないかもしれないから。それとフックは「2/0」サイズ、「スプリットリング」は4号。先端がカギ状になっている「プライヤー」というペンチは必需品になります。初期投資はこのぐらいでいいでしょう。

 サオは1本500円で借りられます。ここまでできればあとは釣るだけ。

 あっ、メタルジグのセッティングを忘れていました。プライヤーの先端でスプリットリングを開いて、メタルジグの両側の穴に通す。さらに両方にプライヤーを使ってフックを掛けます。準備万全だ。

 シーバスは出世魚。30センチまでをセイゴ、60センチまではフッコ、60センチ以上がスズキと大きさで名前が区分けされている。現在の東京湾は、すべてが狙える。特に「つり幸」では、セイゴ中心となる「数釣り船」とスズキをターゲットにする「型狙い船」に分かれる。今回は、ビギナー2人が主役なので、数釣り船に乗り込んだ。

 「ハセチ」こと長谷川シホさん、「ヤママ」の愛称の山中マユミさん。昨年は鶴見「新明丸」のハゼ釣りで取材協力してくれた。趣向の違うルアー・フィッシングに2人とも「ぜひ、やってみたい。楽しみー」。釣りの魅力にとりつかれたようだ。

 初めてのルアー・フィッシング。簡単にいくわけはない。そこでコーチ役として「趣味は釣り」という旅人・遠藤芳彦さん「えんちゃん」に同行してもらった。えんちゃん、ジギングシーバスは「そこそこ」という腕前。最初は着底してからテロテロとゆっくり巻いて誘う。なかなか釣れない。そこでヤママが品川船長に「周囲の釣り方を見学してみろ」と耳打ちされて、船内をグルン。

 ヤママ なんかね、みんなスゴい勢いでリールを巻いて、5メートルほど巻いて、また底まで落とす、それを繰り返してた。

 そこで3人とも戦略変更。「速巻き→着底」の繰り返し。えんちゃんが「おお、フォール(落とし込み)でガツンとくる。セイゴ級だけど引きは強烈。これ、楽しい」とニコニコ顔。ハセチは苦戦しながらも3匹、ヤママとえんちゃんは仲良く9匹だった。

 3人とも「また、リベンジにきます」と力こぶをつくっていた。また、ジギングシーバスのファンが増えてしまった。【寺沢卓】

 ▼船 川崎「つり幸」【電話】044・266・3189。シーバスの乗合出船は、午前6時30分と午後0時30分。ともに氷付きで6500円。レンタルロッド500円。