食いが落ち、活性の低い冬場のヘラブナはなかなか口を使わない。それをあの手この手で攻略するのが面白さでもある。昨年12月29日、大阪・貝塚市の「水藻フィッシングセンター」に釣行した。午前7時から午後3時まで釣り、ダンゴとグルテンの底釣りで32~37センチを32匹。エサやセッティングを変え、悪戦苦闘しながらもなんとか打開策を見つけ、厳冬期としては納得のいく釣果を出すことができた。

 午前6時に到着。3号桟橋の事務所から見て手前側外向きに構えた。気温6度。厳寒期に定評のある11尺両グルテンの底釣りを選択。水深は11尺でサオいっぱい程度。小指の爪ほどの大きさにグルテンを付け、同7時にエサ打ちをスタート。

 15分ほどで、サワリが続いた後、チクッと底釣りらしいアタリ。顔を見せたのは32センチほどの色白でキズ1つないキレイなヘラだ。すぐに同型が釣れ、入れ食いかと期待したのもつかの間、アタリが減り、サワリもなかなかない状況に。グルテンの硬さや大きさを変えるが好転しない。1時間に1匹ペースと、明らかに何かが合っていないようだ。

 同行の釣友はポツポツと安定してサオを曲げる。釣友が10匹釣った時点で私は4匹と差は歴然。聞くと上バリにダンゴ、下バリにグルテンのセットの底釣りをしている。グルテンだけではヘラの寄りが足らないのだ。ウキの動きが明らかに違う。私もすぐに試す。薬指の爪ほどのダンゴを上バリに、下バリに一回り小さいグルテンを付けて振り込む。ダンゴで寄せてグルテンを食わせる狙いだ。

 その2投目、ダンゴがヘラのアオリで抜け、直後にチクッと下バリのグルテンにアタる。それから毎投、何かしらの変化はウキに表れ、安定してサオが曲がる。ダンゴを打つ分、両グルテンに比べカラやスレが多いが、ウキを動かすことを優先するのがポイントだ。

 昼すぎ、活性が一番上がった時間帯には両グルテンで釣り連続ヒット。活性が低い時間はダンゴとグルテンのセットで釣果を伸ばした。終了間際には大型37センチも来て気持ちよく納竿。冷静に周りを見て釣り方を探ること、その日のヘラの活性に合わせることの重要さを再確認した1日だった。【日刊FPC・土屋直人】

 【エサ】「粒戦」50、「粒戦細粒」50に水150を入れ数分放置し、「段底」200を入れ50回ほど練る。単位はcc。

 【今後の見通し】2月いっぱいまでは、段差の底釣り、チョウチンセット、中尺のメーターセットが安定している。混雑時でなければ、両グルテンの底釣りも面白いだろう。水深は3・3メートル前後。内向きは18尺まで、外向きはサオの規定なし。毎月第1日曜日はメーカーインストラクターによるステップアップ教室、第3日曜日は池主催の例会も開催している。

 【問い合わせ】池事務所【電話】072・432・7605。営業時間は午前7時から午後4時。定休日は毎月第3水、木曜日(ただし祝日は営業)。釣り料金は1日2200円。半日(午前11時から)1700円、女性と子供は1500円(中学生まで、学生証が必要)。

 【交通】阪和自動車道の貝塚ICを出て、下木積の信号を左折、国道170号を西へ。永寿南の信号を右折、府道239号に入り北上。突き当たりの千石橋三差路を左折。約1キロ先の信号を左折すると右手に池がある。