海が落ち着かない。寒気が降りてきているのにようやく冬の海になったのか? 「釣りは人生の縮図」と公言する“アニキ”こと俳優哀川翔(55)が、千葉・内房の保田「村井丸」で年末に続いてイシダイ釣りに挑んだ。2016年最後の取材で釣果ゼロだったが「気持ちよく新年を過ごすにはリベンジしかない」と気合満点の釣行記。さて、イシダイは釣れたのか?

 明けましておめでとう。今年も本気で釣りに挑みますので、よろしくお願いします。

 ただ、気持ちよく2017年を迎えるのであれば、昨年の忘れ物はそのままにしたくない。昨年12月21日、保田でイシダイに挑戦したものの、釣れずに終わった。その代わりカミさんが、オレの釣った小さいイサキでまるまるとしたイナワラ(イナダとワラサの中間ぐらいの魚)と2キロ超のヒラメを釣った。

 おかげさまで、何かにつけて「釣り、って面白いねぇ」と、今までオレが釣りに行くのを応援はしていても積極的に参加しなかった…のに、いきなり釣り大ファンに転換した。釣りの魅力というのは、やってみなきゃわかんないね。

 そんなエサ配給係で終わってしまった年末、これは非常にくやしい。村井丸に電話したら「もうそろそろ、イシダイいけますよ」との返事。これはもう、いても立ってもいられない。17日、急きょ仲間8人と挑んだ。もちろん、カミさんもヒラメ狙いで同乗した。メラメラと燃えてきたぜ。

 さすがに年末と違う。空気が冷たい。カミさんは「しばらく船の中でぬくぬくしてる」と退散。確かに2月までの寒さは、好きじゃないと釣りなんかできない。でもね、この時期の魚がうまいんだ。釣ったら食べる。それがオレの掟(おきて)だ。真剣に魚と戦って、真剣においしく食べる。じゃないと魚に失礼だろ。

 今回もイシダイマスター、村井丸の常連、武藤篤さんにコーチをお願いした。コマセカゴ40号にアミを入れてクッションゴムを経由してウィリー仕掛けをつなげる。大きいシャクりではなく、着底したらサオ先をゆるゆると弾ませて、水平になるまでサオをコントロールして、船長の指示したタナ(魚の泳層)に合わせる。この「力まないシャクり」がポイントだ。

 武藤さん 翔さん、スゴいです。このシャクりなら時間の問題。絶対、釣れますよ。

 でも、逆の左舷に座ったニシヤンや杉ちゃんにシマシマの美しいイシダイが来る。武藤さんは次々にキャッチ、タコボウズ記者も釣り上げた。オレはカワハギばかりだ。でも、このカワハギが25センチ前後で素晴らしい。必ずイシダイを釣って、カワハギのキモで刺し身を食ってやる。

 途中で武藤さんが、釣れたばかりのイシダイを刺し身にしてくれた。弾力はあるが硬くない。かむごとに甘みが染み出してくる。もう決めた、絶対釣る。

 大きなアタリをバラした直後、サオ先が震えてキューン、と海面に引き込まれた。合わせたらガチ、と乗った。力強い引きだ。カワハギとは違う。クルクルとシマシマの魚体が浮いてきた。やったぜ、念願のイシダイじゃ!

 最後は武藤さんとダブルヒット。いいサイズを2匹。これで気持ちよく2017年をおくれそうだ。ん、カミさん? 結局、寒くて「もうちょい。今度は春になったら来る」。まあ、それもいい。釣りは遊び。楽しくワイワイ釣るのが面白い。読者のみなさん、今年もよろしくお願いします。

 ▼宿 保田「村井丸」【電話】0470・55・1121。イシダイ釣りは、午前6時出船で、氷とコマセ付きで9000円(付けエサ別)。要予約。