昨年12月から3カ月にわたるロングラン開催となる「磯メジナ伊豆半島ダービー」で首位が交代した。26日、南伊豆・石廊崎「橋本屋」(山本一人店主)から乗り込んだ大沢雄一さん(40=小金井市)が45・5センチをキャッチして、3匹合計が133・9センチとなり、8ミリ差でトップに立った。この日は大沢さんだけではなく、他2地区でも40センチ超が飛び出しており、好釣を維持する磯メジナがまだまだ伸びていきそうだ。

 トップが交代した。これまで首位に君臨していた原田学さん(38=焼津市)に代わって大沢さんが8ミリ差で26日、1位に躍り出た。しかも、大沢さんと原田さんは、最大と2番目のメジナのサイズが、45・5センチ、44・6センチで同寸で、3番目のメジナが大沢さんが43・8センチ、原田さんはジャスト43センチで、なんとその差はわずかに8ミリだけ。

 大沢さん レベルが高い。3匹の合計で125センチ以上の人がひしめいている。全然安心できない。

 参加68人(29日現在)の1番にいながらも、さらに気持ちを引きしめた。

 ただ、今年はちょっとメジナの様子がおかしい。大型の40センチオーバーが各地で姿をみせている。大沢さんに45・5センチを釣った26日の状況を含めて聞いてみた。

 大沢さんは前日25日も橋本屋から大根に乗っていた。サオを出してすぐにメジナの反応をつかみ気配をビンビン感じていた。ただ、釣れるメジナは、判で押したように「あー、惜しい」という39・5センチ前後ばかりだった。その後、潮が変わってメジナのいる雰囲気がなくなって、食べておいしそうなイサキしか口を使ってくれずに日が暮れてしまった。

 そして迎えた26日、大沢さんは小島に渡った。サオを出してからしばらくはメジナではなく、キタマクラに邪魔をされる展開だった。エサ取りのコマセを足元にまいて、広くメジナの居場所を探った。午前8時30分から約30分、メジナが動き始めた。しかし、釣れるのは38~39・5センチばかり。

 大沢さん うわぁ~、また前日に続いて「39・5センチの日」になっちゃう、と思ってしまった。

 潮が変わった。15~20メートル離れた沖を流れていた潮にぶつかるような潮が出てきて、その合流点の際にメジナがもんどり打って姿を見せた。釣れるメジナがなかなかサイズアップしないので、大沢さんは目先を変えてその浮いてきたメジナを狙ってみた。

 大沢さん でも、さらにサイズダウンして35センチ前後ばかり。浮いてはしゃぐメジナに遊ばれてしまった。

 それでも、偏光グラス越しに群れになって動くメジナの下にジッ、として微動だにしない大物の影はしっかりと捉えていた。

 展開も大きく変わらずに1時間3匹ペースでサオを曲げていた。ぶつかってくる潮が緩くなった。思いきって、深場の大物に誘いをかけてみたら、ギュンッ、とサオに負荷が掛かって逆U字にしなった。パワーが違う。しっかりとフッキングしていたが慎重に寄せて、タモに入れた。デカい。45・5センチのビッグワンだった。大沢さんが首位に立った。

 大沢さん 今季は40センチ超の大型が動く。僕が感じるのは、ほんのワンチャンス。潮の変わった直後ですね。そこを逃すと、大物はまた釣れなくなる。間違いなく「潮の変化したすぐ後」がキーワードです。

 26日は、他2地区でも動いた。南伊豆・大瀬「倉の下」(山本良一店主)では、佐野義明さん(47=富士宮市)が41・7センチを仕留めた。西伊豆・雲見「佐市丸」(鈴木佐利店主)でも、竹中天寿さん(60=平塚市)が、42・5センチ、42センチ、40・5センチをそろえて、いきなりトップ10に入ってきた。

 ポカポカ陽気となった週末にもデカメジナがきた。28日は雲見で功刀毅さん(56=平塚市)が42・5センチと40・5センチで3匹合計で128・4センチ。29日も大瀬で望月高宏さん(41=綾瀬市)が45センチと44・3センチを釣って132・2センチとなり、今季初参加の井上敏彦さん(54=小山町)は45・3センチをキャッチした。残り1カ月が楽しみだ。【寺沢卓】

 ▼ダービールール 昨年12月1日から2月28日までの3カ月の期間内で、メジナだけを対象に3匹の合計全長で競う。期間内であれば何度でも挑戦できて、1匹からの入れ替えができる。曜日関係なくエントリーできるので、土日曜に仕事のある釣り人でも気軽に参加可能。

 参加費は1000円で、参加賞は「日刊スポーツ」のロゴの入ったギョサン。対象の宿は、雲見「佐市丸」、石廊崎「橋本屋」、大瀬「倉の下」の3地区で、1度エントリーすれば、風向きを選んでどこからでも出場することができる。

 優勝者には名前入りの記念ブルゾンなど豪華賞品、2~10位にも賞品、17位から下1ケタ「7」の順位には飛び賞も用意。