産卵期に入り、ポッテリと抱卵した良型寒グレを求めて14日、三重・九鬼町の磯へ釣行した。同所の「黒潮マリンクラブ」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の船で夜明け前から九木崎の手前にある「ボーズ」へ渡礁。数年に1度の強烈な寒波の影響で水温が低下、予想以上にグレのエサ追いが鈍くなり苦戦を強いられたが、磯のハエ根際や沖の沈み根周りを6~7ヒロの深ダナ攻めで、食い渋るグレを攻略。午後1時の納竿までに30~38センチを6匹食わせた。

 重めの仕掛けを使った深ダナ狙いで、磯の壁や底の岩礁帯に潜むグレを攻略した。午前6時前、九木崎の「ボーズ」に上がり、夜が明けるのを待ってから先端に入った。潮は港方向へ流れる下り潮。

 早速、オキアミを刺しエにG2のウキ仕掛けで釣りをスタート。ウキ下4ヒロで刺しエとまきエを下り潮の流れに同調させてやると、サオ3本分沖辺りでウキがスーッと海中へ消し込まれた。糸フケを巻き取り、すかさず合わせると、ガツーンとした本命の手応え。磯際での抵抗をかわし水面に浮かせたのは35センチ級のグレだ。

 幸先良く2投目で食わせた1匹だったが、その後底潮が冷たくなると、30センチ級を追加したものの、パッタリとアタリが止まってしまい、刺しエの残る時間帯が長く続いた。

 そこで食い渋ったグレが潜んでいるであろう磯際攻めに作戦を変更。ウキも3Bにかえて浮力を利用し、ハリスにG3号を段打ちにして刺しエをハエ根際(タナ6ヒロ前後)へ送り込んでみた。

 すると数投目、赤いトップが水面下になじむとジワジワッと海中へ根掛りでもしたかのように沈み始める。「アタリか?」。半信半疑で合わせるといきなりサオ先が引き込まれる強烈な締め込み。少し糸を送ってやり、グレの突っ込みをあしらって水面に浮かせたのは38センチの良型だった。

 さらに午前11時を過ぎたころから潮が勝浦方向へと上りに変わる。30メートルほど沖の沈み根付近に潮目が出来たので、ウキ下6~7ヒロで仕掛けを流し込むと、グレのエサ追いが好反応。刺しエがなじむとウキが海中へ沈降するように調整し、サオ先でアタリを取るように攻めたところ32~35センチを3匹ゲット。

 納竿間際には超大型のハリ外れもあり、食い渋ったグレを何とか攻略して、午後1時すぎにサオを納めた。【日刊FPC・兵頭良弘】

 【今後の見通し】九鬼の磯の寒グレ釣りはこれから産卵期を迎えて型もひと回り大きくなり、どの磯からも35~45センチクラスが高確率で狙える。特にお勧めの磯は九木崎、ゴロ一番、ゴロ二番、ボーズ、タテカベなど。適度な水深があって潮通しも良く、海底が変化に富んだ磯場が狙い目だ。

 【問い合わせ】黒潮マリンクラブ【電話】0597・29・2818。渡船料金は4500円。出船は午前5時半ごろ。弁当はなし。

 【交通】大阪から西名阪自動車道、名阪国道などを経由し、紀勢自動車道・尾鷲北ICを出て国道42号を南下。尾鷲市内を越え、新矢ノ川橋西の信号を左折し国道311号を南下。八鬼山トンネルを抜け、JR九鬼駅の向かい側が渡船場。