さてさて、東京湾のマダイが、もうそろそろ暴れまわりそうだ。明日15日から「Tokyo Bayマダイダービー」がスタートする。5月14日(日)までで、東京湾の4地区で期間内に釣れたマダイ3匹の総重量で勝負する。何度でも挑戦できて、1匹からの入れ替えができる。マダイの気配をちらほら感じる富浦・共栄丸に12日乗り込み、現状を探ってきた。

 昨春、活況を呈した富浦の海の大きなマダイは、間もなく目をさましそうだ。ベタなぎの12日、出船した。大潮2日目で期待したが、あいにく潮は動かず、魚探(魚群探知機)に反応は出るものの、ヒットするのは1キロを筆頭に500~700グラムの小型ばかりだった。まだきれいなピンク色だった。

 つまり、ダービー前に乗っ込みに入っておらず、これから大ダイと遭遇できるチャンスが巡ってくる可能性が高くなってきた。

 富浦「共栄丸」笹子宏宣船長は「いつスイッチが入ってもおかしくない」と話す。例年であれば、すでに4~5キロの姿が見えている時期だが、今年元日からは3キロ台が最大重量だ。

 ただ、大きなバラシは数多くあり、そのトラブルの原因はリールのドラグ調整にありそうだ。

 ドラグとはリールの軸を回転させる強さを意味する。ハンドルの内側のヒトデ形をした部分を回すことで、回転を緩やかにしたり、きつくしたりできる。タナ(魚の泳層)に仕掛けを落とした段階で、少しずつ道糸が送られていくぐらいの調整をしておくのが理想だ。

 なぜか?

 大きなマダイがヒットした場合、反転して潜っていってしまう。そのときにドラグがガチガチに締まっていると、プチン! 仕掛けを切られてバレてしまう。ドラグが緩んでいれば、走るだけ走らせて、マダイが疲れて動きが止まってから巻き上げていけばいい。

 12日、タコボウズ記者も700グラム前後を釣った。ドラグは緩めて待っていたが、すぐに締めてタモ網も使わずに取り込めた。

 おそらく大きなマダイはこの一部始終を見ていて、まだ動いていない。まるでダービーに合わせているかのようだ。今年の東京湾、まだ大きなマダイ、健在ですよ。【寺沢卓】

 ▼Tokyo Bayマダイダービー 今年で3年目。「春ダイ乗っ込み期限定大会」で、今回は明日15日(水)からスタート。5月14日(日)までで、期間内であれば何度でもチャレンジできる。参加費は最初の釣行で1000円、参加賞として「日刊スポーツ」ロゴ入りギョサンを進呈。計量は3匹の合計重量で魚の入れ替えは1匹からできる。参加の船宿は富浦「共栄丸」、勝山「宝生丸」、八景「太田屋」、久里浜「大正丸」の4地区。ダービー登録すれば、どこからでも出船できる。

 また、11日からは駿河湾を舞台にした「駿河湾マダイダービー」も始まり熱戦が繰り広げられている。参加船宿は御前崎「博栄丸」、大井川港「海政丸」、久料「魚磯丸」、戸田「たか丸」、安良里「ふじなみ丸」の5地区。こちらもルールは同じで終了も5月14日。