ハシリの乗っ込みチヌを狙って8日、南紀田辺・磯間の磯へ釣行した。北寄りの強風で波が高く、沖磯への渡礁は断念し湾内の「神楽島」へ同所の黒田渡船(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で渡り、午前6時からサオ出し。足元から水深があって潮通しも良く、小ダイやサンノジに苦戦させられたものの、7~8ヒロの深ダナを根気良く攻め続けて、41、44センチの乗っ込みチヌを仕留めた。ポッテリとして体高のある魚体はシーズン本番間近を予感させた。

 午前6時前、寒気の影響で強い北風が吹く中、湾内磯の「神楽島」へ渡った。ここは、港を出て最初に磯づけされる大きな磯で、全体的に水深があって潮通しも良くグレやチヌの魚影が濃い全天候型の釣り場だ。本来なら沖向きに釣り座を構えたいところだが、風向きを考え船着きから港向きにサオを出すことにした。

 まずは水中ウキを使ってウキ下7ヒロで仕掛けをセット。オキアミをハリに刺してサオ2本分沖の落ち込みへ仕掛けを投入。まきエをウキの頭に4~5杯かぶせて刺しエと同調させると、仕掛けがなじむと同時にウキが勢い良く海中へ。すかさず合わせると、ギュギュとした手応えで上がって来たのは30センチ級の小ダイ。しばらくはこれが入れ掛りとなり、1時間ほどで10匹以上を釣り上げた。

 午前8時すぎ、上げていた潮が下げに変わると、それまで頻発していた小ダイのアタリがパッタリ止まり、刺しエが残り始めた。「チャンスか」とウキ下を8ヒロまで深くして仕掛けを投入したところ、ウキがモゾモゾッと海中へ。人さし指で押さえていた道糸がバチバチと音を立ててはじかれた。ガッチリ合わせるとガンガンと頭を横に振るチヌ特有の引きが手元に伝わる。磯際に2度3度と張り着こうとするのをあしらい、タモに滑り込ませたのは44センチの良型チヌだった。

 しかし、まきエが底に効き出すと、8ヒロのタナで40センチ級のサンノジが連続してサオを曲げ、さらには年なしクラスのチヌをいったん浮かせながらも、バラシてしまい意気消沈。それでも、午後2時を回った満潮時に再びウキ下を7ヒロに戻して41センチを仕留めた。その後はチヌらしきアタリをもらうことはなく午後3時すぎに納竿とした。【日刊FPC・兵頭良弘】

 【エサ】まきエ=生オキアミ6キロに「チヌパワームギスペシャル」「チヌパワーダッシュ」「ニュー活さなぎミンチ激荒」各1袋を混ぜ合わせ、海水を加えて使用。刺しエ=「くわせオキアミスーパーハードBIGL」に「アミノ酸α」を振り掛けて使用。

 【今後の見通し】水温の影響で遅れていた寒グレ(40センチ級)が、沖磯を中心に釣れ出した。春の乗っ込みチヌはこれから最盛期を迎え40~50センチ級がコンスタントに狙えるようになる。

 【問い合わせ】「黒田渡船」【電話】0739・25・1303。渡船料は沖磯4000円、湾内3500円。出船は平日が午前5時30分(土曜、日曜、祝日は午前4時30分)納竿は午後4時。事前に要確認。

 【交通】大阪からは阪和自動車道を利用。最終の南紀田辺ICを出て稲成ランプの信号を右折、稲成町の信号を右折して国道42号へ。明洋の交差点を左折。橋を越えてすぐの信号を右折。突き当たりを左折し磯間港へ。