<大海丸ヒラメ釣りダービー◇16年6月1日~12月30日◇ヒラメ1匹の全長>

 仙台湾・荒浜漁港(亘理町)沖で昨年10月15日、92センチ(7・1キロ)をヒットした荒井秀俊さん(41=仙台市泉区)が年間王者に輝いた。この日は乗船20人で計85匹が乱舞。会心ヒットは船中最大に加え、船釣り歴12年の自己ベストになった。

 午前11時前、愛用する1・6メートルのショートロッドに衝撃が走った。水深30メートルライン。海底から仕掛けを約3メートル上げていた荒井さんは「いきなりドーンときたので荒い根に当たって根掛かりしたのかと思った。でも手で糸を引っ張るとモア~とタコのように上がってきた」と振り返る。道糸はPE(新素材ポリエステル繊維)1・5号。暴れる様子もなく、約10分後に浮上した座布団サイズに驚愕(きょうがく)した。取り込みに手間取っている姿に、いつも冷静な山川大海船長(35)も慌ててタモ(玉網)入れした。釣行後は行きつけのすし店に持ち込み、ヒラメざんまい。あまりの大きさに荒井さんは「食べ過ぎて体調を崩してしまいました」と苦笑い。薫製器も自作する味覚ハンターは「次はメーターオーバーを目指したい」と夢を広げた。

<晋漁丸ヒラメ釣りダービー◇16年5月1日~10月30日◇ヒラメ2匹の総全長(期間中何度でも入れ替え可)>

 宮城・塩釜市の小原伸晃さん(45)が2匹合計173センチで初タイトルを獲得した。昨年6月26日に83センチをヒット。続く7月8日に90センチジャストを仕留め、総全長で2位以下を3センチ振り切った。10月下旬のダービー締め切りまで約4カ月間、追われる立場に立たされた小原さんは「毎週ドキドキでした」と逃げ切り優勝を喜んだ。

 勝負を決めた90センチは、それまでの記録を3センチ上回る自己ベスト。仙台湾・大型魚礁沖で午前9時すぎにヒットした。阿部裕船長(60)の「優勝を狙うなら90センチは必要だね」という言葉に発奮。「じゃあ、今釣るよ」と直後に有言実行した。親戚も遊漁船を経営し、「小学5年のころから船に乗っている」というベテラン。水産関連の自営だけに魚の扱いはお手のものだ。家業さながら、昨年は計57回(日)も晋漁丸に乗船し、「100匹以上釣ったかな」というヒラメの天敵。「まだ誰もしていないので、今年は2連覇を目指したい」と大会連覇を目標に掲げた。