日刊スポーツ入社2年目の松尾幸之介です。2月はお休みしていた横浜・金沢八景「太田屋」でのマダイ釣り教室ですが、今月から再開となります。今回のテーマもタナ取りです。前回までに学んだ基本動作から、さらにレベルを上げてマダイを狙いました。

 マダイを釣る上で絶対に外せないのが、「タナ」(魚の遊泳層)だ。マダイは群れで泳ぐため、ここを外してしまうとハリにかかることはほぼない。今回の教室では、そのタナとりのうまさを見せたベテランから学ぶことが多かった。

 サオを出したのは、記者を含めた10人。3月下旬ともなれば、1月の教室時に比べると、海上もだいぶ暖かい。天気も上々で、春の雰囲気を感じさせるようになっていた。

 竿頭となる6枚のマダイを釣ったのは常連の梶本忍さん(58=埼玉県新座市)だ。左舷ミヨシに座り、昼すぎにやってきた時合いを逃さず、次々と良型のマダイを釣り上げた。講師の新井利行さん(53=横浜市)は「梶本さんは潮の流れが自分の方にきているのを察知して、コマセをあまりまかずにじっと待った。それでいて、タナを一気に5メートルほど上げた。時合いがきて、ここぞというときの決断力で釣っていたね」と、その動きを分析。他の釣り人が「なかなか釣れない」と頭を抱えているのを尻目に、まさに独り勝ちの釣行となった。

 太田一也船長は「船長が言ったタナをスタートに、エサの状態を見て徐々にタナを変えていくのがセオリーだ。梶本さんは思いきって5メートル上げて、そこから落としていきながらマダイのタナを探っていった。そういうやり方もある」。20年以上、毎週のように太田屋に通い続けているベテランのなせる判断だった。

 前回の釣り教室にも参加し、今回も夫婦で参加した藤原太さん(50=横浜市保土ケ谷区)は「マダイを釣るにはどんなタックルがいいのかを今日は知ることができた。サオが悪いのか、仕掛けが悪いのかなどは判断が難しいが、回数を重ねてうまくなっていけたらいいですね」と、次回以降の釣行にも意欲的だった。

 さて私、松尾はと言えば、この日はマダイをゲットできず…。春仕様に変わりつつある海に合わせ、Lサイズのビシから一回り小さなFLサイズのビシをつけるなど、あれこれと仕掛けにもこだわってみただけに、悔しさは残った。

 しかし、そう簡単には釣らせてくれないところもマダイ釣りの楽しさだ。潮の引かない厳しいコンディションの中でも、本命をゲットした梶本さんらの姿に「自分が釣れないのはどこに原因があるのか」と積極的に質問する受講者もいた。

 新井さんは「これから乗っ込みのシーズンになるから、大物も釣れやすくなる。タナ取りだけでなく、ハリの大きさだったり、仕掛けにもこだわりがでてくる。何度かマダイ釣りにでかけて、自分なりのやり方を探っていくのも面白い」と話していた。【松尾幸之介】

 ▼船 日刊スポーツ新聞社指定「太田屋」【電話】045・782・4657。マダイの乗合は、午前7時20分出船でエサと氷付き1万500円。カップル、親子には割引あり。ほかライトタックル(LT)アジ釣りの午前&午後便とルアーの五目釣り船なども出船中。木曜日定休。

 教室は4月も開催予定。午前6時半集合、同7時20分出船で料金は1万500円、女性・子供は7000円。詳しい日時などの問い合わせ、申し込みは船宿まで。