これまでニジマスは冷たい層を好むとされてきたため、底付近を狙っていた。確かに粘っていれば、底付近でも数釣りはできる。ただ、ちょっと違う。ルアーでもエサでも、落ち込んでいくときにガツンとくる。フライでは少しずつ沈ませて、粘っていると、やはりガツン！

　結城さんは「もしかすると、魚は底じゃなくて、サスペンドしてるかもしれない」と腕を組んだ。「サスペンド」とは宙層を回遊することの意味だ。ある一定のタナ（魚の泳層）にエサをキープさせれば釣れるかもしれない、という作戦だ。そこで、芦ノ湖ではめったに使わないウキを試してみた。

　どうやら、ウキ釣り、正解！

　エリナちゃんが困っていた。「すみませーん、突然ウキがなくなっちゃったんですけどぉ～」。結城さんが慌ててリールを巻かせてサオを立てさせた。一直線の張る道糸、サオ先がギュン、とうなった。「キャー、プルプルしてる。うわー、魚だあ」とエリナちゃん、大興奮。結城さんがタモ網で素早くニジマスをすくい取った。

　この日は、寒い午前中を捨てて午後２時から約２時間の釣り。水深１０メートル前後のポイントで湖面からウキ下約３メートルでヒットした。エリナちゃんだけでなく、めぐちゃん、ＮＯＲＩとずっと誰かのサオが曲がっている状態で計１８匹、大漁だ。

　ＮＯＲＩは「イクラはハリにつけられるだけつけるといい。湖面から３メートル下は見えないけど、これ、かなりいますね」とニッコリ。めぐちゃんも「５０センチぐらいのニジマスが釣れた。アジ釣りでもこんな大きいのいない。芦ノ湖、すげー」と大感激だった。エリナちゃんは「予想以上に楽しくて。クセになりそうです」と笑った。

　一行はそのまますぐ近くの芦ノ湖キャンプ村のコテージへ。結城さんに教わりながらニジマスをさばいて、ホイル焼きと土鍋で炊きあげるニジマスめしで満腹。「朝も慌てず釣りを楽しんで、コテージでゆったり。これこそ大人の遊び、って感じ。絶対また来ます」と３人は声をそろえた。

　さあ、芦ノ湖の自然を満喫しながら、エサのニジマス釣りを楽しんでみませんか？　【寺沢卓】

　▼ボート　芦ノ湖「うえ乃」【電話】０４６０・８４・８４７１。季節によって出船＆帰着時間が違うので要確認。住所は「箱根町元箱根１６２」。ローボート３５００円～、エンジン船９０００円～。イクラエサは８００円。

　▼芦ノ湖キャンプ村【電話】０４６０・８４・８２７９。