同5時半前、ルアーを投入すると、10メートルぐらい沖でコンコンとショートバイトがきた。狙いが的中。この時期のヒラは産卵後で反応が鈍いため、極力ゆっくりルアーを引いたほうがいい。再びキャストし、バイトがあった付近までスローにルアーを引くと今度は明確なアタリでヒット。

 フッキングを入れるとヒラが激しいエラ洗いをみせる。これぞヒラゲームの醍醐味(だいごみ)。重量感のある手応えからグッドサイズを確信。絶対にバラシたくはない。じわりじわり寄せてくるが、波打ち際にくると引き波に乗って再び沖へ走る。何度か波打ち際でのスリリングなやり取りが続くが、あんまり時間をかけるとフックアウトしてしまう。

 そこで、やや強引にヒラを引き寄せ、ランディング態勢に。寄せ波にヒラを乗せ、魚体が手前に寄ってきたところでギャフを入れてキャッチした。サイズは72センチ。ナイスコンディションの魚体だった。これはうれしい1匹。会心の良型に満足して納竿した。【日刊FPC・長井淳】

 ◆ヒラスズキ 一般的なスズキ(マルスズキ)に比べて体高があり、ひらべったい魚体をしている。その迫力ある姿にあこがれるルアーマンも多く、人気のターゲットになっている。主に潮通しの良い外洋の磯場に生息し、サラシの中に身を潜めて小魚を待ち受けているところをミノーなどで狙う。

 【今後の見通し】今シーズンは水温が2月中旬から12、13度で推移していたので、ヒラの活性が非常に悪い状態が続いていたが、ようやく水温が15度になり、ヒラが活動し始めた。これから稚アユの大きな群れが接岸するとともに水温がさらに上昇すれば本格的な春ヒラシーズンを迎える。磯、ゴロタ場でも条件が整えば釣れるだろう。

 【交通】徳島市から国道55号を南下。阿南市、海陽町を経て高知県に入り、室戸市の佐喜浜川河口へ。