南房・伊戸のイサキが出てきた。雨が多くなる6月ごろに旬を迎えることから「梅雨イサキ」などと呼ばれる。ちょっと早いが、伊戸「九左衛門」では、制限の50匹に迫る釣果も期待できるようになった。コツさえつかめば、釣りキャリアに関係なく誰でも釣れちゃう。房総半島の最南端だけど、意外と気軽にいけるんですよ。

 「あー、春のイサキを釣りたーい」

 こんな心の叫びを持つ人はけっこういるのではないか。イサキは、皮の直下がおいしい魚だ。軽く皮をあぶって、刺し身やすしなどで食すとホッペが落ちそうになる。

 あぶったイサキを食らう-動機としてはやや不純かもしれないが、最終目標をここにしてみよう。

 取材で釣った魚で、いろいろな調理実験をしてもらえる目黒「寿し ながもと」には事前に連絡しておいて、今の「イサキのあぶり」の実力を味見する準備は整った。あとは狙いのイサキを釣るだけだ。

 伊戸「九左衛門」の池田豊船長は正直者だ。日々の釣果報告では、3月7日から今季の春イサキを開始した。わずかに4日後、同11日には50匹が出た。房総地区のイサキ釣りでは、どんなに数釣りができても、魚族保護の観点から、1日における釣り人1人の制限を設定していて、それが50匹なのだ。

 池田船長 タコさん(寺沢のニックネーム)よぉ~、まだまだだよぉ。釣りのうめぇ人なら、ポツポツした反応でも1匹ずつ拾って制限はいくさ。でも、イサキの食い自体は、本格化してねぇな。