昨年、湖水の酸素が欠乏して8割のワカサギが死滅したと言われる長野・諏訪湖。今年は見事に復活した。大きさは7~8センチと「食べごろサイズ」でそろっていて、しかも胴回りがゴロンとしており、今後に大きな期待が持てそうだ。地元漁協からも「網漁のワカサギ専門漁師もホクホクだ」と今月4日から始まった漁でも過去最多漁獲量との呼び声も高い。24日には、バーベキュー付きのワカサギ釣り大会もありますよぉ~!

 ワカサギ釣りは「人生で2度目」というハットリを諏訪湖に連れてきた。日刊スポーツで、湖川の「釣り速報」担当で、ヘラブナ釣りでイラストリポートする女性スタッフだ。最初のワカサギは場所は伏せるが、氷上の穴釣りで「決していっぱい釣れた、という印象はない。寒かったイメージはある」とハットリは遠い目をして思い起こす。

 つまり、ハットリはワカサギ釣りで、それほどの好感触は得られていない。そこで、諏訪湖でサオを握ってもらった。釣れる条件はそろっていた。

 その前に諏訪湖といえば、昨年の悲劇がまだ生々しく記憶に残っているだろう。昨年7月下旬、降雨量が少なく、湖中の酸素が欠乏する「貧酸素状態」に陥っていた。そこに南西風が吹いて、その貧酸素の水の塊が諏訪湖に広がり、湖岸には死んだ魚が大量に打ち上がった。このとき地元漁協はワカサギは8割が死滅した、と発表した。

 諏訪湖といえば、全国にワカサギの発眼卵を供給する湖で、ワカサギの大量死は全国のワカサギ釣りに大きな影響を及ぼしてしまう。今春の卵供給はできなかった。2000年まで諏訪湖から卵を購入していて、現在は供給源としてライバルにある神奈川・芦ノ湖から発眼卵2000万粒を譲り受けた。残った2割のワカサギも順調に越冬した。今年7~8月、事前の投網による試釣では4~10センチのワカサギが大量に掛かり、復活の手応えをつかんでいた。その中での9月17日の取材だった。

 諏訪湖は水深2メートル前後の浅瀬の続く特徴を持っている。その中でも4メートル超の深場ポイントでワカサギの群れが確認されていた。固定設置型のドーム船(ビニールハウスのような施設で暖かい室内では床にあいた穴から釣りができる)は水深4・5メートル地点に置いた。準備は万全だ。

 さて、ハットリだ。ドーム船の周辺でサオを出した。イカリを打ったボートからサオを出して、すぐに釣れ、投入し直すとまた釣れた。「えっ、ワカサギ、ってこんなにポンポン釣れるんですね」と驚いた表情。その後ドーム船でも釣れて、1匹ずつだったが約1時間で30匹ほど釣れた。いいペースだ。しかもサイズは8センチ前後で、丸々と太っていて育成も申し分ない。

 19日にもドーム船の周辺で318匹の記録が出た。どうやらスイッチは入ったようだ。24日には、諏訪湖レジャーセンターで、バーベキュー昼食付きのファミリー大会も実施する。今日22日までなら、直接電話すれば参加もできる。秋の信濃路でワカサギ釣りを楽しんじゃおう!