長野・諏訪湖のワカサギ、緩やかに上昇中! 24日、諏訪湖で「日刊スポーツ・フィッシング・サーキット2017」ワカサギ部門のファミリー大会が実施された。ベテランも初心者も含めて参加者は46人。釣り上げたワカサギの総重量と、1匹の全長で勝負した。夏を思わせる晴天の中、残り30分で大きな群れの回遊があった。最後はおいしいバーベキューに舌鼓を打った。経験のない人でも楽しめるのがワカサギ釣り。深まる秋とともに本番を迎えますよぉ~!

 夏が戻ってきた。ジリジリ肌を焦がす日差しに諏訪湖のワカサギも驚いたのか、反応が鈍い。「暑ーい」「のど渇くねー」「こっちは涼しいと思ったのに」と思いもしない残暑。さらに無風状態で、ちょっとだけ悲鳴に似た声も上がった。

 納竿は正午。ピクリともしなかったサオ先が残り30分でいきなり動いた。緩やかに湖上に風が流れて、湖面がザワザワと波立った。大きな群れがドーム船付近を回遊し、ボートで狙っていた参加者もドーム船周辺に集結して、サオを上げては入れていた。

 そんな中、過去14回の優勝を誇る嶋村直樹さん(66)の手こぎボートは忙しかった。いつも単独参加だった嶋村さんに孫の干川結輝(ゆいき)くん(9)が乗り込んでいた。ワカサギ釣りが初めてで、嶋村さんより2・5グラム多い334・5グラムを記録した。嶋村さんは「今年の夏休みは、ずっとイワナ釣りで一緒だった。オレよりも大きなイワナを釣るんだ。いいもん持ってる」と、じいちゃんの顔で目尻を下げていた。

 表彰式で、結輝くんはトロフィーや副賞を持って照れまくり。何もしゃべらなかったが、上諏訪温泉「ぬのはん」ペア宿泊券を獲得するじゃんけん大会では、勝負師の強さを見せて、なんと勝ってしまった。「じゃんけん、面白いねぇ」と笑顔。昨年優勝した滝浪恭史さん(68=静岡県富士宮市)から「弟子入りさせてください」とコールされ、会場がドッと盛り上がった。

 表彰式では、全員参加の恒例のバーベキューでにぎやかになったが、「もしかしたら、今、釣れてる時間かなぁ」「何言ってんのよ、そんな日だってあるわよ」と、終始笑いの絶えないファミリー大会となった。

 現状では、まだ魚が落ち着いていないが、9月4日からスタートした刺し網と投網のワカサギ漁では、連日大漁。「昨年は、貧酸素でワカサギが大量死したけど、もう大丈夫だね。4~4・5メートルの深場が中心だけど、水温が下がってくれば、どこでも釣れるね」と、諏訪湖レジャーセンターの藤森邦明さん(67)はかつてない順調さをアピールした。

 今回初めて参加した田中妙子さん(48)と俊くん(10)は「地元の下諏訪町に住んでるけど、こんなにワカサギ釣りが楽しいなんて。ドーム船でカップ麺が食べられるらしいから、また来まーす」と声を弾ませた。諏訪湖のワカサギ、これからが本番だ。【寺沢卓】

 ▼宿 諏訪湖「諏訪湖レジャーセンター」【電話】0266・53・6540。遊漁料金は高校生以上が1000円、中学生以下無料。出舟は午前7時~午後3時。ボートは1日4000円。ドーム船は3200円、中学生以下2000円。仕掛けは5本バリ300円、7本バリ400円。エサのサシ200円。氷100円。土産のリンゴ、ナシは1袋500円。