11日から「伊豆半島磯メジナダービー」が始まる。ただし、今季は地域別スライド開催だ。実施地区は西伊豆・雲見「佐市丸」、南伊豆は2地区で石廊崎「橋本屋」と大瀬「倉の下」。西伊豆地区は11日から来年2月8日まで、南伊豆地区は従来通り12月1日~2月28日となる。参加者は3地区どこでもサオを出せるから、通常よりも20日間長い110日間、楽しんでもらえる。そこで、日刊スポーツ釣りペン・クラブの鵜沢政則さんに大瀬の現状をリポートしてもらった。

 さあ、いよいよダービーが始まるね。

 今季は10月の毎週末が台風などで荒れっぱなし。渡れる日が少なかった。台風が来ると海がかき回されて周辺の潮温は下がるはず。ところが、いまだに下がりが遅くて初夏のようなぬるさだ。「狙いが難しいネ」という大瀬「倉の下」山本良一代表の言葉をもらって、3日、私のクラブの例会を実施し、現場指導がてら最初牛ケ瀬に上がった。

 この時期、コマセをまくと足元にエサ取りがたくさん見える。この日は足元にエサ取りがいない。釣れるのは、沖に遠投すると小型のソウダガツオ、足元では小型のメジナ。状態はまだ秋前半だ。

 しばらくコマセをすると30センチ前後のイサキがじゃんじゃん釣れる。この時期にイサキの数釣りは珍しい、まだ潮温が高い証拠である。

 潮が引いてきたのを見計らって、別のクラブ員のいるオン根に移動。先にこの磯に上がっていた日刊釣りペン・クラブ飯村建治さんに聞くと牛ケ瀬と同じ状況でイサキが多い。そこで私は試しに裏の水道を狙ってみた。結構、強いサラシ。かき回されているので軽い0ウキベース仕掛けではなく、めったに使わない重めの仕掛けで勝負した。

 ★鵜沢の攻め手 3Bのウキにガンダマ2Bと2号の2個使い。ハリスは2号を3メートル。ウキは固定。昭和スタイル? いやいやいや、メジナのベーススタイルの仕掛けと呼んでほしい。

 コマセをまき、仕掛けを入れるといきなり30センチ超のメジナ、続いて小型、小型…ニザダイ、サンノジもヒットする。ときどき30センチ超が交じる。高潮温ではこういう場所がGOOD。

 メジナはサラシを釣れ。

 このスタイルは関東でのメジナ釣りの基本だ。イサキだけだったクラブ員に水道側を釣らせると良型が釣れて表情が緩んだ。波の荒いサラシの中にはイサキは入ってこない。潮温は確実に下がってくるので、もうちょっとの辛抱か。

 ただね、イサキ上等! なんである。「今、釣れるものを楽しく釣る」。家に帰ってみればカミサンはメジナよりもイサキがうれしいようで上機嫌、しめしめだ(笑い)。

 例年のダービーでは40センチ後半の「釣った」「(ハリスを)切られた」の勝負が展開される、ぜひ挑戦して欲しい。私もたまに様子見に行きますよ。(鵜沢政則)

 ▼伊豆半島磯メジナダービーとは 2012-13シーズンから始まった、雲見「佐市丸」、石廊崎「橋本屋」、大瀬「倉の下」3地区合同の「メジナ王決定戦」で、今季で5回目の開催となる。この3地区ならば参加者は期間中、どこでも何回でも自由にサオを出せる。自分の釣った上位3匹の合計の長さで競う。昨年優勝記録は「44・6センチ、45・5センチ、45・7センチ」で「135・8センチ」だった。すべて別の日に釣っていて、期間中7回釣りに来て40センチ超は7匹キャッチしていた。

 参加費は初回に1000円を支払えば、3軒どこからでも釣りができる。参加賞は昨年ギョサンだったが、今年は色違いを用意する。優勝者には、クリスタルトロフィーと、名前を刺しゅうできる特製チャンピオンブルゾンなど豪華賞品を用意。下位には飛び賞を設定しているので、思わぬ受賞があるかもしれない。