「ヘラブナ道場」でイラストリポートを担当する「ハットリ」こと日刊スポーツ釣り速報スタッフ、服部紫野(しの)が、ふと思った。「湖でヘラばかりだけど、冬ならワカサギもいいなぁ」。そこで、今季大爆釣の神奈川・相模湖で腕試しをしてきた。デカいし、いっぱい釣れる。「これ、楽しー」と浮かれていたが、相模湖のワカサギのルーツが同じ神奈川県の芦ノ湖と聞いた。こうなりゃ、箱根も調査しちゃうぞ!

 釣り速報欄、って毎日、情報提携している釣り宿、釣具店から、その日に釣れた魚についてメールをいただいたり、船長さんや店主さんと電話でおしゃべりして、生の情報を掲載してるんです。

 でもね、釣果報告は午後だから、ハットリは午前は自由にいろんなことができるんですよ。だったら、釣果が集まるまで釣りもできちゃうなぁ~。距離的に考えると、あっ、相模湖はベストチョイスですね。ちょうど今季はワカサギがスゴく釣れてるから挑戦しちゃおう!

 相模湖のワカサギ釣りは、ちょっと変わってます。ワカサギのポイントにボートが係留されていて、そこまで渡してくれるんです。ん? あれれ、この前の静岡・戸田のイナダ釣りに似てるぞ(笑い)。

 あー、相模湖、気持ちいい。紅葉に包まれてサオを握る。この時期サイコーの過ごし方ですねぇ。さて、釣りです。仕掛けはハリ3号で10本バリ。相模湖のワカサギはとにかくデカいからハリの大きさも1号や2号では小さくてすっぽ抜けるんですと。

 問題は、エサですよ、エサ。アカムシ、って何じゃこりゃ。こんな細いのにハリに刺さるのか…あっ、刺さるわ、意外に簡単、アハハハハハ。ただし、ハリ10本全部に刺すのは大変ですなぁ。サオを複数出す人もいるようですけど、ハットリはまずは1本にしとこ。

 スゴいんです。底にオモリがトン、と着いてしばらくするとサオ先が上下に激しく震動して巻き上げると4匹とか5匹は当たり前、もう6匹掛かっちゃいました。築地本社に戻らなきゃいけないから正味2時間、105匹でした。まっ、いっかなぁ…とか思っていたら「サオを2本出すともっといい。そこに相模湖のワカサギ釣りの本質があるのに」と橋本一伸店主はちょっと残念そうな顔でした。

 もう1回来ないとダメだな。

 感触を忘れないように4日後に来ました。サオは2本。セットして5分。何で2本ザオがいいのか、よく分かりました。

 2本ザオだとね、常にワカサギのタナ(魚の泳層)に仕掛けを落とし込んでいられるので、群れが離れないんでしょうね。

 この釣り方を考えた人は頭がいいなぁ。もうポンポン釣れて、同じ2時間で前回の釣果を抜いて149匹でした。勉強になるなぁ。釣ったワカサギは目黒「寿し ながもと」で天ぷらにしてもらいました。素晴らしいですねぇ~。ところで、このワカサギはどこから来たんでしょうか? 正解は芦ノ湖でした。もちろん、行ってきましよ、あ・し・の・こ。

 ▼ボート 相模湖「柴田」【電話】070・3660・6363。ボートレンタル、係留ボートへの渡しは午前6時から。1人3500円。駐車場のポールに掲げている日刊スポーツ社旗がボロボロになっていたので、ハットリが新品を届けてきました。青空に似合うなぁ~。

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 芦ノ湖は全国にワカサギの卵を供給している湖で、今季は出荷量では日本一だったらしいです。相模湖は、その供給されている湖なんですね。「うえ乃」に聞くと「深場の釣りですね。21~27メートルぐらいで当たる。大きな群れじゃないから1匹ずつ辛抱強く釣ってください。ただし、今月14日までだけど」ですって。

 さっそくポイントに移動して、魚群探知機(魚探)にかけると、水深24メートルエリアで、底から4メートル浮いた高さで青白い帯が出てきました。仕掛けを投入して、着底、そこから4メートルをリールでくるりん、と。すぐにプルルルン。よしゃー、この力強さは…1匹でした。えー、これで1匹なの? パワーあるなぁ。

 結局、ポツラポツラと釣れて約2時間で44匹。効率、悪っ。でも、いいんです。水深24メートルの場所なんですが、もう絶景なんです。雲の上にいるみたいですねぇ。景色にみとれて、ときどきプルルン。釣ったワカサギはうえ乃でフライに…。はぁ~、ため息がでる。午前中だけでも楽しめちゃうな。ワカサギはこれからが本番、もう1度挑戦したい、ッスねえ。(ヘラブナ道場第2期門下生・服部紫野)

 ▼ボート 芦ノ湖湖尻「うえ乃」【電話】0460・84・8471。出舟&帰着はシーズンによって異なるため、電話確認をしてください。ローボート3500円~、エンジン船9000円~。入漁料は1300円、中学生以下無料。ナビ登録する際には「箱根町元箱根162」。食堂も営業してます。