磯メジナ釣りの全国大会「第36回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権」(主催・がまかつ)が3日から3日間、大分県佐伯市の米水津(よのうづ)沖磯で開催され、江藤憲幸さん(43=福岡・北九州市)がG杯2度目の挑戦で初優勝をもぎ取った。エサをつけたハリをコマセに潜りこませて同調させる釣法で食い気を誘った。決勝では、15匹8540グラムを釣り上げ圧勝で王者に上りつめた。

 4日の予選リーグは大雨、5日の決勝Tは強い風に悩まされた。特に決勝後半では、体の右横から受けていた風に感覚がつかめず、場所を移動して真正面から受けることを選んだ。

 江藤さん サオ先を海面に突っ込んで、道糸が風で流されないようにした。ウキのわずかな動きだけを頼りにした。それとコマセを投げたら、その中にエサを付けたハリを潜り込ませて同調させた。

 魚がいるのは分かっていた。この同調作戦が的中して、決勝は15匹。対戦した谷さんは3匹。強風の中で接戦を続けたことで、心の中の油断も吹き飛んだようだった。

 江藤さんの実兄義紀さん(45)は、2010年ダイワマスターズを制している。

 江藤さん どこに行っても「江藤さんの弟」としか呼ばれない。これでようやく兄と肩を並べることができましたね。えへへ。

 江藤さんには、ちょっとした縁起かつぎがある。試合前に対戦者とツーショット写真を撮ることだ。

 江藤さん 試合後は難しい展開もある。いい思い出にもなりますからね。もちろん、来年も写真を撮るのは続けていきます。

 来年は王者として臨むG杯になる。次大会で江藤さんと対戦する方々、いい表情を用意しておいてくださいね。【寺沢卓】

 ◆G杯とは 釣り具総合メーカー「がまかつ」が主催する釣りの全国大会の総称。磯グレのほか、磯チヌ(クロダイ)、アユ、ヘラブナ、投げ釣りシロギス。誰の手も借りずに自分の戦略だけで釣る5種に限定される。磯グレは秋田・男鹿から沖縄・那覇一文字まで全国9カ所で予選会を実施。勝ち抜いた32人と、昨年の上位3人と今大会は過去5回優勝の記録を持つ片伯部光広さん(53)をがまかつ推薦として、計36人で競った。3日夜、競技会議と選手紹介が行われた。4日は6人ずつに分かれ、6組の予選リーグが行われ、各組1位6人、2位以下でポイント上位2人(ワイルドカード枠)の決勝Tに進出する計8人を決めた。最終日の5日は決勝Tを実施。