「第9回オーナーカップグレ金勝杯 四国大会」(主催・(株)オーナーばり)が10日、徳島・阿南市の伊島周辺の磯で行われ、92人が参加し、25センチ以上のグレ3匹までの総重量を競った。午前7時から正午まで熱戦が繰り広げられ、「セイガバエ」に渡礁した井口賢選手(阿南市)が遠投で39~46センチを3匹(3640グラム)そろえ見事、初出場で優勝。2位は3020グラムの坂東孝志選手(徳島市)、3位には2740グラムの生駒浩史選手(京都市)が入った。【中村和嗣】

 「地元で盛大に行われる金勝杯で優勝することができて最高にうれしいです」。井口選手が優勝カップを高々と掲げ、釣り仲間の祝福に満面の笑顔で応えた。

 井口選手がグレ釣りを始めたのは5年前。「フカセ釣りを始めたら、絶対にはまる」とわかっていたので封印していたが、地元のハッピー釣具店の條将大さん(徳島連盟71代名人)に誘われ、グレ釣りに釣行。

 そこでアドバイスを受けながら釣ると「面白いようにグレが釣れ、予感どおり、フカセ釣りにどっぷりはまってしまった」という。

 そして1年前、磯釣りでよく一緒になる「阿南黒潮会」の常連さんに誘われ、同会に入会。その後は週に1回のペースで磯に通い続け、同会の鎌田茂夫会長らに仕掛けや各磯での釣り方など、レクチャーを受けながら腕を磨き、今回仲間とともに金勝杯に挑戦した。

 井口選手が渡礁した磯は「セイガバエ」。午前7時前、上り潮が右へ流れる中、足元から攻めるが、エサ取りの猛攻に遭い、30分ほどで断念。それならと20~30メートル沖への遠投に切り替え、20センチのグレを食わせた。

 これでグレの気配を感じとり、良型を狙おうとタナを(4~5ヒロ)深めに変更。オモリで仕掛けを立てるイメージで、ウキをシモらせながら探り、ポツリポツリと30~39センチを3匹ゲット。

 しかし同10時すぎから下り潮が勢い良く流れだして釣りづらい状況に。それでも針を7号に替え、ウキをゆっくり沈めて流すと同11時ごろ、コツコツとアタリが来て40センチがヒット。さらに、この日一番の46センチを追加し39、40、46センチと良型をそろえ、3匹合計3640グラムで見事、初優勝を飾った。

 優勝インタビューでは「自分のような若輩者が優勝できたのは條名人、鎌田会長をはじめ、釣り仲間みんなのおかげです。山元八郎名人のような徳島を代表する磯釣り師を目指し、これからも日々精進していき、金勝杯の連覇を目指します」と締めくくった。