いよいよ東京湾のシーバスにスイッチが入った。9日から猛爆状態で、メタルジグを投げればガツンとぶつかってくる活性の良さだ。ルアー・フィッシングに興味がある人は、今が大チャンスだろう。まだシーバスの動きが鈍かった6日と、次々にヒットしてきた9日に、タコボウズ記者が取材で乗船していた。その2日の違いを含めて、初心者にも分かりやすいようにリポートする。

 今月6日、反応が鈍い。ルアー・フィッシングのメタルジグで狙うシーバスだ。川崎「つり幸」の冬の目玉…のはず、なのだが、朝方に反応があっただけで、釣れない。

 ちなみに「メタルジグ」とは金属製のルアー。底付近まで落として、落ちる途中やリールで巻き上げるときに魚を誘ってヒットさせるタイプで、縦方向のアクションに強い。シーバスが底から海面近くまで回遊するため、とても効果的なのだ。

 村山克英船長は「釣れないけど、いやいや、魚探(魚群探知機)には赤く点在している。これね、シーバスです。何かの拍子に釣れちゃうんだけどなぁ」と首をひねる。

 それでもアタリの数は少ないが、船中シーバスはガツン、ときてなんとか乗船者は魚を持って帰ることができた。

 体長は34~45センチ、もっとも釣れた佐々木洋祐(ようすけ)さん(33=横浜市)の8匹だった。初めてのシーバス体験だった中尾みゆきさん(39=埼玉県新座市)は「でも、東京湾は気持ちよかったです。2匹しか釣れなかったけど、途中ではずれちゃったのは3回もあった。釣るだけじゃなくて、潮風を浴びて海の上にいるという実感がたまらない。ハマりそうです」とニコニコ。

 日常とは違う環境を簡単につくりたいと思ったら、釣り船に乗ればいいじゃないか。けっこう簡単なことだけど、初挑戦の中尾さんに教えられました。

 やはり釣れた。タコボウズ記者が左ミヨシ(船首)の釣り座だったが、逆の右ミヨシの小俣勇樹さん(33=東京都稲城市)は「最初のキャスト10回。すべて魚をキャッチできた。こんなの初めて。底でも食ったし、もうジグを回収しようと思った海面近くでもガツンときた。どこにでもいる感じですね」と話した。その10回連続キャッチの中には、この日の最大62センチもいた。最終的に小俣さんは40匹の大釣りを記録した。

 佐藤美童(みつお)さん(30=川崎市)は職場のつり経験ゼロの2人船山貴之さん(27=川崎市)と佐藤知朗さん(31=横浜市)を連れてきた。それぞれ13匹、6匹、8匹と釣果も出してホクホク顔。船山さんは「村山船長にジグのテール(後ろの部分)にフックを付けろ、とアドバイスされたあとでいっぱい当たった。こりゃ、楽しい、ッスね」とすっかりシーバス釣りが気に入ったようだった。

 東京湾は沖に出ちゃえば、すごく海がきれいですよ。もちろん魚もおいしい。初心者が釣れても釣れなくても、富士山が見えたり、羽田空港に飛行機が着陸するのも直接見ることができちゃう。釣りを中心とした海上生活を堪能できますよ。それとメタルジグは、60~100グラムまで色や形の違うものを用意しておいてくださいね。【寺沢卓】

 ▼船 川崎「つり幸」【電話】044・266・3189。ルアーシーバスの乗合船は午前6時30分、午後0時30分出船の2便。氷付きでともに6500円。要予約。